金は価値の死骸だ 金として蓄えられた富は、死んでいる
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
仮想通貨やフィンテック、シェアリングエコノミーなど、現代の経済は次々と新しい言葉が登場し、右も左もわからない状態の方が多いのではないかと思います。
そこでい今回は「『お金2.0』——新しい経済のルールと生き方」。こちらの本を読んで、僕が皆さんに伝えたい内容をまとめていきこうと思います。
「新しい経済で今、何が起こり、どう生きればいいのか?」
そんな疑問をお持ちの方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
資本主義
資本主義に対し、不安や疑問をお持ちの方が多いのではないかと思います。
本来「手段」であるはずの「お金」が、いつの間にか「目的」へと変化していき、お金を増やすことこそが重要であると考えるようになった。
「お金をたくさん稼いだ奴が偉いんだ」という考え方が資本主義です。
その一例として挙げられるのが「投資」です。
働くことで手に入れた「お金」が、いつの間にか「お金」が「お金」を稼ぐようになりました。
有名な投資家のTwitterなんかを見ていると、
「4000万やらしかたわーw」「乙ー」
といったやりとりが、ゲームのような感覚で行われています。
経済用語で「収穫逓増(しゅうかくていぞう)」なんて言われたりしますが、持つものがより多く持ち、持たないものが全く持たない世の中になってしまったのです。
しかし、この「資本主義」と対になる考え方として「価値主義」という言葉が本書では取り上げられています。
価値主義
投資のように、お金が独り歩きをし、世の中の人々が感じる「価値」とは関係のないところで、お金が勝手に取引されるようになりました。お金との関係が薄くなった世界、それが資本主義です。
一方で、価値主義は、「お金」以外のところに価値を見出す考え方です。
「応援」や「援助」、「信用」、「興奮」、「感動」、「共感」など、お金に直結しない物事に価値を見出すようになった考え方が、価値主義です。
例えば、人気YouTuber。
彼らは「お金」を失うことよりも「ファン」を失うことを恐れます。「お金」以外のこと、YouTuberの場合「精神的価値」に価値を見出しているのです。
お金にならないものを大切だと考える「価値主義」
お金を至上のものと考える「資本主義」
あなたはどちらに価値を感じますか?
感想
どちらに価値を感じるかはその人次第だと思います。
お金を増やし、裕福な生活や、周りの人たちよりも金を持っているという、優越感を得る人生を送りたいという考え方も、とても素晴らしいことだと思います。
物々交換から始まり、貝殻や米、金貨・紙幣、そして今や仮想通貨へとお金の「価値」はどんどんと変わってきています。
一方で、価値主義における「価値」の考え方は、我々がホモ・サピエンスのころから全く変わりません。
『クリプトノミコン』という作品の中で、著者のニール・スティーヴンスン(作家、1959-)さんはこんなことを言っています。
「金は価値の死骸だ。金として蓄えられた富は、死んでいる」
我々にとって、本当の「価値」とは何なのでしょうか?