【意思決定】『ファースト&スロー』——直感の意思決定と、熟考の意思決定!

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本日は、『ファースト&スロー』から、「2つの意思決定」についてを取り上げます。

2つのシステム

人間の意思決定には、2つのシステムがあります。

直感に任せた、スピーディな判断を行う「システム1」。

そして、ゆっくりと熟考してから判断する「システム2」です。

前者を「速い思考」、後者を「遅い思考」定義します。

「速い思考」は、いかなる時も活動しており、すべての処理を行おうとします。そのため、難しい作業や計算は苦手で、特定の状況では必ず、エラーを起こします。

一方、「遅い思考」は、常に活動しているわけではありません。速い思考で対処ができない時だけ登場します。物事を深く考えられる、しかし、キャパは小さい、というわけです。

2つの人種

また、「遅い思考」と「速い思考」をどれだけ考慮するかによって、人間像も変わります。

例えば、「遅い思考」を重視する人。その人は、自由至上主義が考え方のベースとなっています。

自由至上主義とは、侵害されない限り、各人が望むすべての行動は、自由である、という考え方です。

彼らは、みんな合理的に生きているんだから、制度やルールで干渉すべきでない、という考えます。

一方、「速い思考」に左右されやすい人は、判断基準がなく、ブレまくりです。

彼らは、人は皆、非合理的である、と考えるため、制度やサポートを重視した考え方になります。

このような思考は、わたしたちの記憶、ひいては「幸せ」までも左右します。

人の記憶は「短い」が優先される!

人が幸福を感じるとき、それは「過去」の経験などに対して感じます。

遊んだことや、何かを作ったこと、みんなで切磋琢磨したこと。

そのどれも必ず、その行為が終了した後に「幸福」を感じていたはずです。

映画を見て幸福を感じても、それは、映画を見終わった後、または、途中まで見て、そこまでの「記憶」によって、「ああ、しあわせ……」と感じます。

つまり、私たちの「幸福」は、「記憶」によってもたらされるのです。

ただここでは、「記憶」といっても、長く、ロングスパンの記憶を指すわけではありません。

ご飯を食べるときや、デートをしている時など、その瞬間瞬間に反応して感じる「幸福」のように、短いスパンの記録です。

その瞬間ごとに喜びを感じ、それを高く評価してしまう「短い記録」。

たとえ、緩やかに長く幸せだと感じていた記憶があったとしても、それは短時間の強烈な出来事にかき消されてしまいます。

若者が、何年も生活を共にしてきた家族との食事より、夜遊びを優先してしまうのは、このためです。

「短い記憶」は私たちの優先順位を、大きく変えてしまうのです。

おわり

「私たち人間にとって、時間は究極の有限リソースである」と、本書の著者、ダニエル・カーネマンはいいます。

しかし、この事実に対し、私たちは愚かな選択をしてしまう。

長い時間の穏やかな幸せより、短い時間の激しい喜びを優先してしまう。

また、長時間の緩やかな苦痛より、短時間の激しい苦痛を恐れてしまう。

このように、人間の記憶と知覚は非常にずさんです。

私たちは思っているほど合理的でも論理的でもありません。

しかし、その不合理な頭で、あなたは合理的に考え続ける必要があります。

それが私たち人間です。

私たちは常に自分の認識と記憶が正しいことを確認して生きなければなりません。

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ボーナストリビア:「幸福の質問と回答」

古代ギリシャの歴史家ヘロドトス(紀元前484年〜?)が書いた「歴史」には、「幸福の質問と回答」と呼ばれる物語があります。

紀元前6世紀頃です。 アテネの政治改革者として知られるソロンは、リディアのクロイソス王を訪ねます。

ソロンは、財産の大きさに応じて市民の権利と義務を規定する財産政治を実施していました)

当時、クロイソスはギリシャの都市を次々と征服し、領土を拡大し、莫大な富を獲得しました。

「私は世界だ!だから、世界で一番幸せな人だ!」と思ったかもしれません。

ちなみに、リディアは世界で最初に金貨を出した国です)

その彼が、ソロンに尋ねます。 「あなたが会った人の中で、もっとも幸福な 人は誰か?」

もちろん彼は、 「あなたです」という答えを期待します。

ところが、ソロンが 「幸福な人」 として挙げたのは、1番目がテロス、 2 番目がクレオビスとビトンの兄弟でした。

理由は、 「見事な死に方をした人たちだから」と言いました。

この答えに、クロイソスは、とても不満になります。

誰よりも金持ちで、有名な自分が、 名もない、 富もない人たちよりも幸福度 で劣るはずがない!

そこでソロンにしつこく尋ねます。

「私自身の幸せはなんの価値もないと思われたのか」

それに対するソロンの答えはこうです。

「人間の一生は1日として同じことが起こることはなく、その生涯はすべて 偶然である。 今、運に恵まれているからといって、 それが一生続くとは限ら ない。なので、 その人が幸せだったかどうかは、 その終わり方を見るまでわ からない。 だからこそ、 人間死ぬまでは、 「幸運な人」とは呼んでも、「幸 「福な人」と呼ぶのは差し控えなければならない」と。

「あなたは現状では 「幸運な人」かもしれませんしかし、 「幸福な人」とは 言えません」

ソロンいわく、「幸福な人」とは、 「見事な死に方をした人」なのです。

そして、ソロンの言葉の通り、 その後、クロイソスは、幸運から見放されま す。

愛息を失い、さらにはペルシアとの戦いに敗れ、国を失ってしまうのです。

焚刑に処せられようとするまさにそのとき、かつてソロンが彼に語った「死ぬ瞬間まで、何人も幸福であるとは言えない」という言葉の意味をついに知るのです。

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