「スマホ」は私たちをスマートにしてくれるのだろうか?

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「パンがなければケーキを食べればいい」といったのは、マリー ・アントワ・ネットですが、現代の人は、「電話がなければスマホを使えばいい」と言うのではないでしょうか。

スマートフォンがあれば、いつでもどこでも何時間でも時間を潰すことができます。

そのため、仕事でも勉強でも、我々は休憩となると、すぐにスマホを取り出し、スマホの中で休憩を取ろうとします。

ですがこのことをより深く客観的に考えてみると、我々はスマホで遊んでいるのではなく、スマホに遊ばれているのではないでしょうか?

「スマホ」を使っている人は果たして「スマート」なのか

2017年に「5分間のスマホ利用で記憶に重大な障害(Mobile phone use for 5 minutes can cause significant memory impairment in humans)」という論文が発表されました。

この研究では、健常者64人と軽度認知障害者20人を実験群、健常者36人を対照群として次の実験を行いました。

まず、実験群に対しては、最初に10個の単語を見せ、それを思い出しながら書き出してもらうテストを行います。

それを

(1)スマホを使う前

(2)スマホを5分間使った直後

(3)スマホを5分間使ってから5分後

という3パターンでスコアを比較するのです。

一方、対照群はスマホを使わず、実験群と同じ時間間隔でテストを行いました。

その結果、実験群ではスマホを使った直後の健常者のスコアがもっとも低く、3回目の測定はスマホを使った直後よりもスコアは良かったのですが、スマホを使う前のスコアよりも下だった、ということがわかりました。

反対にスマホを使わなかった対照群は1回目、2回目、3回目とテストの度にだんだんとスコアが上昇し、すべて、実験群を上回った結果となりました。

また、スマホを使った60~80歳の老齢者は、若い年齢層に比べてスコアの低下が大きかったこともわかっています。

このような現象が起きる理由としては、「ワーキングメモリー(作業記録)」が関係していると考えられる。

「ワーキングメモリー」とは、作業中の情報を一時的に記録し、作業が終わると、その情報を、必要なものとそうでないものに整理してくれる場所です。

スマホを四六時中、休憩などでも使ったりすると、情報が湯水のように入ってきます。

そのため、「ワーキングメモリー」が整理する時間をなくし、記憶は定着せず、記憶力は下がっていくという訳です。

私を一人にしないで、スマホ!

グーグル社が行った実験にこんなのがあります。

この実験では、男女12名の参加者に自分の携帯電話をサイレントモードにしてもらい、24時間が経過した後に、どのような状態だったかをインタビューしました。

すると、結果は二つに分かれ、一方は、スマホから解放され、「あまりストレスを感じなかった」あるいは「リラックスして仕事ができた」と回答しました。

そして、もう一方は、スマホが一日ないだけで、友達や恋人からの返信に遅れることへの恐怖心や、周りとの疎外感を感じたのです。

脳は何のため?

『スマホ脳』という本では

「脳は考えたり感じたりしますが、それは生存するために体をどう動かすかを決定するためです。気持ちよくなったり、賢くなったりすることが目的ではありません」

と書かれています。

また、人が「幸福」だと感じるドーパミンについても、「生存と繁殖のために何に注意を向けるべきかを人間に教えるためだ」と書かれています。

「ご飯のたびにベルを鳴らすと、ベルを鳴らすだけで犬がよだれを垂らす」という「パブロフの犬」の実験で知られているように、我々人間も「おそらく得られる」という状況が大好きなのです。

だから、我々は、「宝くじ」や「ギャンブル」をやめられないのです。

またSNSも同様に「パブロフの犬」の原理を利用して、「『いいね!』がもらえてるかもしれない」という、私たちの脳の仕組みを利用したシステムになっています。

スマホと「遠距離恋愛」しませんか?

スマホが合わせるのではなく、スマホに合わせている人が、多くなってしまっているのではないでしょうか?

スマホのダメな部分をあげれば、「他人と比較してしまう」「集中できなくなる」「共感力を失う」「眠れない」「運動しなくなる」「人と会わなくなる」など、キリがないと思います。

ですが、もちろん、「自分を知ってもらえる」「作業効率がいい」「手軽に友達ができる」「目がシャキッとする」「どこでも情報を簡単に得られる」「いつでも電話ができる」など、たくさんのメリットもあります。

ただ、スマホを作ったスティーブ・ジョブズが、自分の子供にiPadを触らせなかった、という事実も忘れてはいけません。

愛される女は、「距離感」をわかっているといいます。

スマホに振り向いてもらうには、スマホに幸福をもたらしてもらうには、私たちも、「距離感」がわかる女性になる必要があるのかもしれません。

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