【植物学】人類を救った「ヒトツブコムギ」—— 人間の力なくして生きられない植物が生まれた!

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人類は草食動物になれなかった……

牛や馬、キリンなどと同様に、人間は草原で生まれました。しかし、人間は、イネ科植物の葉を食べることができませんでした。

火を使ったり、煮たり、切ったりもしました。しかしそれでも、とても硬く、食べられたものではありませんでした。

「草」がダメなら、「種」を食べればいい……が

では、現代と同様に「種」を食べれば良いのでは?、と思われるかもしれない。

確かに、今、私たちが主食としているのは、イネや麦、とうもろこしといった、イネ科植物です。

しかし、イネ科植物の種子を食料にすることは、そう容易いことではありません。

というのも、植物の種子は、とても小さいからです。種子が熟すと、バラバラになってしまい、集めることは非常に困難になってしまうのです。

「落ちない種子」が我々を救った

ところがある時、ある植物が突然変異しました。

小麦の先祖種と言われる、「ヒトツブコムギ」です。

この植物は、あろうことか、「種子が落ちない」という性質を持っていたのです。

種子が落ちないということは、子孫を残せないということです。これは、植物という生物にとって、致命的な欠陥です。

しかし、人間にとっては、違います。

種子が残っているということは、収穫がしやすいということだからです。

おわり

種子が落ちない「非脱粒(だつりゅう)性」の植物の発見は、人類史上、もっとも重要な出来事です。

落ちない種子を収穫することで、蓄えることや、食料とすることができるようになる。

そして、この「落ちない種子」を植えることで、「落ちない種子」の植物をまた作ることができるのではないかと気づく。

これが農業の始まりです。

ボーナストリビア:農業は、貧しいとこでしか、発展しない!

こうして発展していった農業ですが。ここで一度、農業について考えてみましょう。

みなさんは、農業というのは、豊かな場所と、貧しい場所。どちらで栄えると思いますか?

一見、みどり豊かな場所のように思えます。恵まれた場所の方が、より良いイネが育つと。

しかし、それは違います。農業は、貧しい環境にあるからこそ、発達するのです。

森に行けば果実があり、海に出れば魚がいる。そんな南の島のような環境で、誰がキツい農業をやるのでしょうか。

貧しく、食べ物のない環境。そんな環境だからこそ、食べ物を作るために、重労働をみな行うのです。

食べ物のためなら、生きるためなら、働くことなど苦ではない。

農業は、貧しいからこそ栄えたのです!

(出典)

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