Flutterと非同期処理:具体的なコードと実例を用いた解説

Flutter
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こんにちは、Flutterエンジニアの皆さん。今日はFlutterでの非同期処理について詳しく解説します。この記事では、具体的なコードと3つの具体例を用いて、非同期処理の基本から応用までを学びます。

非同期処理とは?

非同期処理とは、プログラムの実行をブロックせずに、複数の処理を並行して行うことができる処理のことを指します。

また、Flutterでは、非同期処理は**Future****Stream**といったクラスを用いて実装されます。

非同期処理の基本:Future

まずは、非同期処理の基本であるFutureについて見ていきましょう。

Futureは、値が将来的に利用可能になることを表現するクラスです。非同期処理が完了するとその結果を返します。

以下に、非同期処理を行うシンプルな関数を示します。

Future<String> fetchUserOrder() {
  // 擬似的なデータ取得を行うために、Future.delayedを使用します。
  return Future.delayed(Duration(seconds: 3), () => 'カフェラテ');
}

この関数fetchUserOrderは、3秒後に文字列’カフェラテ’を返すFutureを返します。この関数を呼び出すとすぐには値が返らず、3秒後に値が利用可能になります。

非同期処理の待機:await

非同期処理が完了するまで待つためには、awaitキーワードを使用します。awaitは非同期関数内でのみ使用でき、Futureが完了するまで待ち、その結果を返します。

以下に、上記のfetchUserOrder関数の結果を待つためのコードを示します。

void main() async {
  print('注文を取得しています...');
  var order = await fetchUserOrder();
  print('あなたの注文は$orderです。');
}

このコードを実行すると、まず’注文を取得しています…’と表示され、次にfetchUserOrder関数の非同期処理が完了するのを待ちます。その結果が得られると、’あなたの注文はカフェラテです。’と表示されます。

以上が、Flutterでの非同期処理の基本的な実装方法です。

しかし、実際のアプリケーション開発では、複数の非同期処理を扱うことが多いです。そこで、次に複数の非同期処理を効率的に扱うためのパターンを見ていきましょう。

複数の非同期処理を順番に実行する

非同期処理を順番に実行するには、awaitをループ内で使用します。以下に具体的なコードを示します。

Future<String> fetchUserOrder(String user) async {
  // ユーザーごとの注文を取得するための擬似的な非同期処理
  return Future.delayed(Duration(seconds: 3), () => '$userの注文: カフェラテ');
}

Future<void> fetchAllOrders(List<String> users) async {
  for (var user in users) {
    var order = await fetchUserOrder(user);
    print(order);
  }
}

このコードでは、fetchAllOrders関数がユーザーのリストを受け取り、各ユーザーの注文を順番に取得します。各注文は非同期に取得され、取得が完了するとその結果が表示されます。

複数の非同期処理を並行に実行する

非同期処理を並行に実行するには、Future.waitを使用します。Future.waitは、複数のFutureを受け取り、すべてのFutureが完了するのを待ちます。以下に具体的なコードを示します。

Future<void> fetchAllOrders(List<String> users) async {
  var futures = <Future<String>>[];
  for (var user in users) {
    futures.add(fetchUserOrder(user));
  }
  var orders = await Future.wait(futures);
  for (var order in orders) {
    print(order);
  }
}

このコードでは、fetchAllOrders関数がユーザーのリストを受け取り、各ユーザーの注文を並行に取得します。各注文は非同期に取得され、すべての注文の取得が完了するとその結果が表示されます。

以上が、Flutterでの非同期処理の基本的な実装方法と、複数の非同期処理を扱うためのパターンです。非同期処理は、ネットワーク通信やデータベース操作など、時間がかかる処理を行う際に重要な概念です。この記事が、Flutterでの非同期処理の理解と実装に役立つことを願っています。

次回は、非同期処理の応用的なパターンや、非同期処理を用いた具体的なアプリケーション開発のテクニックについて解説します。また、非同期処理のエラーハンドリングについても触れていきます。

参考文献

  1. “[Flutter]非同期処理で値を取得するまで待機する Completer テストコード付き│Flutter Salon”, https://flutter.salon/dart/completer/
  2. “【Flutter】複数の非同期処理を実行する際のパターン4つ – おみのアプリ開発ブログ”, https://efferite.com/asynchronous_processing_execution_pattern/

これらの記事も非同期処理について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。