【旧約聖書㊹】「勇者」は強迫性障害 〜〜 「まだ信じられません」

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偶像礼拝、再び

エフドによって、モアブに勝利してから140年。

世代が移り変わったせいで、イスラエル人たちは、再び、偶像礼拝をするようになりました。

当時、彼らが礼拝していたのは、男神「バアル」と女神「アシュラ」という、二つの銅像でした。

そして神は、そんな彼らを懲らしめようと画策します。

注目したのは、ミディアン人です。

ミディアン族は、突然、イスラエルに侵攻し、作物を奪っていったのです。

臆病なギデオン

ミディアン人に苦しめられたイスラエルは、神への信仰を取り戻し、再び祈り始めました。

神は、エフドの時と同じように、とある地に住む一人の若者を選び出しました。

彼の名は「ギデオン」。

ある日、マナセ族のギデオンは、小麦を製粉していました。

(※製粉……穀物を挽いて、粉にすること。当時は、収穫した麦の粉を棒で叩き、麦の粉ともみ殻とを分けていた)

そこに、いきなり天使が現れました。

「勇者よ。あなたは、神と共にあります。だから民を救うのだ」

ギデオンは、天使の登場に驚くと同時に、彼の口から出た「勇者」という言葉に引っかかりました。

臆病者で、体も民族で一番低く、それにまだ、数十年しか生きていない若者。そんな自分がなぜ、勇者なんかに。

すると、天使は、そんなギデオンの考えを見抜いたかのように言いました。

「恐れるな。わたしがあなたと共にいる。まず、あなたの町にあるアシェラ像を切り倒し、バアルの祭壇を壊しなさい」

いきなりの無茶振りに、ギデオンは、狼狽えました。

しかし、天使の言葉はつまり、神の命令です。

神への信仰心を捨てていなかった彼は、天使を信じて、像を壊すことにしました。

父の機転

夜中。ギデオンは、こっそりと祭壇に潜り込み、言われた通りのことをしました。

ギデオンは身長も小さく、いつも周りの目を伺いながら、こっそりと行動していました。ですので、今回出された神の命令も易々こなすことができました。

翌朝。

案の定、町の人々が大騒ぎをしました。

そして、ある人物から、「ギデオンが夜に祭壇へ入るのを目撃した」と証言が出ました。

人々は、ギデオンの家に押しかけ、問い詰めました。

「なんてことをしてくれたんだ」「万死に値する」「おい、さっさと出て来い!」

当然、臆病者のギデオンは、そんな野次が飛び交う中に出ていけるほどの甲斐を持っていません。

しかし、そんな中ギデオンの家から、ある人物がでてきました。

ギデオンの父「ヨシュア」です。

ヨシュアは、鼻で笑いながら、答えました。

「ふ。お前たちは、何を言っているのだ。バアルが神であるならば、バアルが自分でギデオンを罰するはずだろ。お前たちが何かする必要はないではないか」

父の言葉を聞いた民たちは、何も言い返すことができず、散り散りになりました。

羊の毛

父の機転で助けられたギデオン。

その後は、神の命令で、街から離れ、イスラエル全上に使者を送り、戦士を集めました。

すると、なんとイスラエル中から3万3千人の戦士が集まりました。

ミディアン人の襲撃で衰えていたにも関わらず、こんなにも戦士が集まったのは、まさに神の力でした。

ただ、それでもギデオンは、まだ迷っていました。

「自分なんかが、本当にイスラエルを引っ張っていけるのか」

「神は本当に自分を助けてくれるのか」

「てか本当に、神は存在するのか」

いろんな考えが頭をよぎり、不安で不安で、仕方ありませんでした。

そこで、ギデオンは羊の毛を手にしながら、祈りました。

「神よ、わたしの祈りを聞いてください。ここに羊の毛があります。これを地面に置いておきます。朝になり、羊の毛にだけ朝露があり、地面が渇いているとしたら、それによってわたしはあなたの言葉が本当だと信じる事ができます」

ワンモア・プリーズ

翌朝、羊の毛は、絞れば滴るほど水で濡れており、地面は乾いていました。

ギデオンは、それで覚悟を決めた……かに見えましたが、まだ、不安でした。

「もしかしたら、偶然こうなったのかも」と考えたギデオンは、もう一つ確信が欲しいと、神に祈りました。

「神よ、お怒りになるかもしれませんが、もう一度言わせてください。今晩、この羊の毛をまた地面に置きます。朝、毛が渇いて、地面が朝露で濡れているなら、わたしは本当に、あなたを信じることができます」

おわり

翌朝。

祈った通りのことが起こりました。

羊の毛は乾燥し、地面は朝露で湿っていたのです。

こうして、ギデオンは、ついに「勇者」としてイスラエルを引っ張っていく覚悟ができました。

ボーナストリビア:死んだフリは、本当に死ぬ!

クマは、臆病な動物であることをみなさんはご存知ですか?

よくマニュアルで、山などでクマに遭遇した際は、「見つめながらゆっくりと後ずさり、十分に距離をとること」と書かれています。

これも正しいです。

ただもう一つ、良い方法が、「自分の存在を知らせること」です。

本来、クマは臆病な動物ですので、熊よけの鈴や、大声を出すことで、むしろ逃げていきます。

ただ、これをいざ実際に行おうとすると、やはり怖いので、上記の「ゆっくり後ずさる」が常識として定着しているのだと思います。

ですので、一番はやはり、熊よけの鈴を持っていくことです。

また、一方で、最もしてはいけないのが「死んだふり」です。

これは逆に、死体として熊の興味を惹いてしまい、噛みつかれたりされる危険性があるのです。

もちろん、クマに遭遇しないようにすることが何よりも大切です。

しかし、もし出会ってしまったら、その時は、決して「死んだフリ」だけはしないようにしましょう。

(参考)

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