組織とは
ひとえに、「組織」といっても色々な形があります。
部活動みたいな組織もあれば、軍隊みたいな組織、社長はお飾りな組織もあれば、社長の一党独裁な組織もあります。
本書では、このような組織たちを、5つの組織に分類しました。
まずは、この5つを紹介します。
5つの組織
まず「レッド組織」です。
これは動物の群れ、例えば『猿の惑星』のような力の支配による組織です。階層や役職がなく、短期的な思考で、暴力的である傾向があります。
続いては、「アンバー組織」です。
これは、いわば「軍隊」のような組織です。秩序とヒエラルキーが絶対で、正式なルールのもと活動します。
そしてこのような、ヒエラルキーを取っ払い、実力主義の組織が「オレンジ組織」。
アメとムチで組織を活気立たせ、予測と統制によって、運営された組織です。
ただ、このような組織は、実力によって不平等や格差がどんどんと広がって行きます。
そこで、登場するのが「グリーン組織」です。
自由と平等をうたい、「個の尊重」や「多様性」に重点をおいた組織です。
そして最後、組織は、個人の能力や多様性にフォーカスし、目的や共鳴を重視する、新たな段階「ティール組織」へと移り変わってます。
ティール組織の3条件
ここでは、「ティース組織」を生み出すために必要な三つの条件について紹介します。
まずは「自主経営」についてです。
大抵の組織は、上司や先生の指示を受け、それによって行う労働を仕事としてきました。
一方、ティール組織は違います。
自ら課題を設定し、適切な人と連携し、意思決定をする必要があるのです。
次は、「全体性」です。
これまでの組織では、読まなくても良い「空気」を読むことが当たり前とされてきました。
例えば、誰かのプレゼンの終了後、「質問はありますか?」と聞かれたら誰も挙手をしません。にもかかわらず、プレゼン終了後に、そのプレゼンターに行列を作って、個別に質問しに行ったりします。
しかし、ティール組織は、自分の内面や感情を前面に出し、自分らしく行動することが重要です。
そして最後は、「存在目的」です。
「競争に勝つことが最も重要」
その考えをまず捨てることが重要です。
他の組織と同じレールの上で競争をしていたら、いつまでたってもその競争から抜け出せず、一生全力疾走しなくてはなりません。
しかし、それは運によるところが大きいです。
ある時には勝ち、またある時には負ける。
そんなことの繰り返しです。
そうならないために、自分たちで新しいレールを敷くしかありません。
そもそも、「競争」という概念から抜け出すのです。
自分達の組織は、何のために存在し、何にコミットすべきなのか。
そんなことを競って考えるべきなのです。
おわり
組織の意識は、リーダーの意識レベルを絶対に超えられません。
口では「甲子園を目指す」といっている高校があっても、もし監督やキャプテン、エースが「そんなことは無理に決まっている」と意識の中で思っていたら、組織の意識も、甲子園に向くはずがありません。
多くの組織は、「オレンジ組織」もしくは「アンバー組織」のどちらかです。
そのため、その組織のレベルや動きは全て、リーダーによって左右されます。
しかし、それでは組織である意味がありません。
それぞれのメンバーが、自分なりの意見を出しやすくする。
そんな環境作りが何よりも重要なのではないでしょうか。
ボーナストリビア:「スイス銀行」はウソ!
組織といえば、犯罪組織もまた、日本の企業と同様「オレンジ組織」の形態をとっている。
誰かリーダーが次の星を決め、そこを強襲する。成功したら部下にたんまりご褒美を与え、失敗したら全責任を下っ端になすりつける。
と、そんな犯罪組織ですが……
そういえば、海外の映画やドラマなんかではよく、汚いお金の隠し場所として「スイス銀行」が登場しますね。
ブラックマネーだけでなく、世界レベルの富豪が隠し口座を持ってたり。
そんな、庶民にとって花園でもあるスイス銀行。
預けられるものなら一度は預けてみたいと思うのが、人情なのではないでしょうか。
だがしかし、残念ながらそれはかなわぬ夢なのです。
というのも、「スイス銀行」という銀行事体、この世に存在しないからです。
実は「スイス銀行」というのは、一つの巨大な銀行のことではありません。
スイスにある約 60あまりの大小の銀行の総称なのです。
ですか確かに、第二次世界大戦以降、「顧客の秘密は何があっても絶対厳守」というスイスの銀行の噂が広まり、世界中のブラックマネーがスイスに集まってきたのは事実です。
それで、世界に「スイス銀行」の名が一気に広まってしまったわけです。
ただ、現在は、組織犯罪に関するお金に関しては、必要があれば情報を公開することになっています。
さらば「スイス銀行」!