本日は、『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』という本から、「自分を理解すること」について取り上げます。
ジョハリの窓
みなさんは、「ジョハリの窓」をご存じでしょうか。
「ジョハリの窓」とは、自己分析を行う際の概念です。
1955年に、心理学者のジョセフ・ルフトとハリ・インガムが「対人関係における気づきのグラフモデル」を発表し、有名になりました。
ジョハリの窓は、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」によって、自己を分析します。
具体的には、「4つの窓」に分類します。
・自分も他人も知っている「開放の窓」
・自分だけが知っている「秘密の窓」
・他人だけが知っている「盲点の窓」
・他人も自分も知らない「未知の窓」
この4つの窓を分析することで、自分の理解を深めていくわけです。
自己は2つの目線で決まる!
といったように、本当の自分を理解するためには、「内的」「外的」それぞれの自己認識が必要不可欠なのです。
「外から自分」は、他人に聞けば良いです。しかし、自分で自分をみるという行為は、意外と難しい。
そんな時は、主に7つの支柱を大事にしてください。
- 自分はどう生きたいか?(価値観)
- 無意識にスイッチが入る行為は?(情熱)
- 何を達成したい?(願望)
- 幸せのために必要なものは?(フィット)
- 自分の一貫した考え方は?(パターン)
- 自分の素の行動は?(リアクション)
- 自分の行動が周囲に与える影響は?(インパクト)
自己認識
ただこの時、注意しなくてはならない盲点が3つ存在します。
- 「認識の盲点」……自分のことを客観的に把握することは難しい
- 「感情の盲点」……感情というのは、その時のシチュエーションに左右されやすい
- 「行動の盲点」……自分の行動を俯瞰することは難しい
以上の点をしっかりと意識、自分を振り返ることが重要です。
そこでおすすめなのが、「日記」です。
毎日の行動を、コツコツ記録し続けることで、より客観的な分析ができるようになります。
その日の感情や、状況によって、書く内容や思っている事柄の起伏が激しくなるかもしれません。しかし、それも毎日続けることで、平均して客観的な分析ができます。
投資でいう、ドルコスト平均法です。
また、日記を書くときは、「真実」と「感情」をセットで書くことを、ぜひ意識してください。
おわり
本書では、「自己認識とは、自分を理解しようとする意思とそのスキルである」と定義しています。
自分を理解している状態をあらわすことではないのです。
人は、「周りは、自分のことを理解してくれない」とよく考えます。
しかし、それは得てして、「自分」こそが自分のことをわかっていないことが多々です。
「自分はこういう人間だから」と思考を停止してしまう。
しかし、「自己」というものは、環境の影響を大きく受け、常に変化しています。そして、その変化は永遠に理解し得ないものです。
ですので、私たちは、「自分を理解する」という意思を、歩みを止めてならないのです。
おまけ雑学:太陽と地球の誕生
歩みを止めないものとして、私たちが住むこの地球や宇宙もその一つだと思います。
みなさんは、太陽や地球がどのように誕生したか、ご存じですか?
地球の期限は今から 46億年前、太陽や他の惑星と一緒に誕生したと考えられています。
「星間雲(せいかんうん)」という宇宙に広がる小さなガスやチリが、重力の影響で 1か所に集まり始めたことが、その発端です。
「星間雲」が集まり始めると、ゆっくりと回転しながら大きなかたまりを作り始め、それから円盤状の形になって、中心部の密度も上昇。
ついには、核融合反応を起こして輝き始める。この時に生まれたのが、原始太陽です。
つまり、我が太陽は、たくさんのチリが積もってできた惑星である、ということです。
「チリも積もれば、太陽になる」というわけです。
その後、原始太陽の周辺を取り囲んでいたガスやチリは、宇宙空間に熱が逃げていくにつれて凝縮し、衝突と合体を繰り返して巨大化。それから、数千年をかけて直径 10キロもの微惑星に成長します。
その数はなんと 10兆個です!
これらがさらに衝突と合体を繰り返すことで、いくつかの原始の惑星が誕生しました。
その一つが、地球です。
原始太陽の誕生から微惑星ができるまでの時間は、約 1000万年。
地球をはじめとする原始の惑星が誕生し、現在の太陽系が形成されるまでは、さらに数千年。
つまり、約 1億年もの歳月が必要だったのです。
地球や太陽といった規模で考えると、どんなこともちっぽけに見えますね。