U理論とは
本書で紹介されている「U理論」とは、自己や組織、社会のあり方を根本から考える7つのステップのことです。
その7つの段階とは、「ダウンローディング」→「観る」→「感じる」→「プレゼンシング」→「結晶化」→「プロトタイピング」→「実践」のことです。
次章で詳しく解説します。
7つの段階
それでは、より具体的に7つの段階について説明します。
まずは、「ダウンローディング」。
これは、既存のもののを見方を振り返ることです。
自分はその物事に、現状で、どのような考え方を持っているか。それを確かめるのが、ダウンローディングです。
続いて「観る」。
「見る」ではなく「観る」であるところが肝です。
ダウンローディングで確かめた考え方をもち、新鮮な目で観察するのです。
そして、ステップ3「感じる」。
客観的に、俯瞰的にその事象を捉え、感じ取ります。
そしたら、ステップ4「プレゼンシング」。
今度は、視野をさらに広げ、未来の可能性から現在を読みときます。
次に、ステップ5「結晶化」。
プレゼンシングで浮かび上がったビジョンを、具体的な形にします。
そうしてできたビジョンで利用し、イメージを形にするのが、ステップ6の「プロトタイピング」。
そして最後のステップ、それを具体的に実践したり、実行したりする段階「実践」。
具体例
例えば、絵を描くことが大好きな、とある会社員を例にとります。
彼は、趣味で休みの日など、よく絵を描いています。
特に人間観察が好きで、喫茶店や動物園などに行っては、そこにいる人たちの顔や歩き方などを観察し、それを絵にしていました。
そんな彼の生活に、「U理論」を応用するとどうなるでしょうか。
まずは「ダウンローディング」で、自分は絵を描くことが好き、特に人間をテーマにした絵、ということがわかります。
そしたら、次に以上のことを踏まえ、これまで自分が描いてきた絵たちを見返してみます。
これがステップ2の「観る」です。
すると、なんだか自分は、人間が好き、というより、人間の顔が好きということがわかります。
これがステップ3の「感じる」です。
では、この顔を描くのが好きという自分の強みを、未来からみて、どのように利用、活用できるかを考えます。
ステップ4の「プレゼンシング」です。
すると、もしかしたらこれは、NFTに応用できるかもしれない、ということに気がつきます。
プロの絵描きではなく、実際で出品したりすれば、プロやアマ関係なく、世界中の人たちと自由に、コミュニケーションが取れる!
これが、ステップ5の「結晶化」です。
あとは、これを形にするステップ6の「プロトタイピング」の段階です。
仮想通貨を買い、専用の鋼材を作り、NFTの市場にアカウントを作って、出品する。
といったふうに、具体的なビジョンをたてます。
ここまですれば、あとは最後のステップ「実践」あるのみです。
おわり
以上が、U理論の考え方です。
ただ、この理論を知っているからといってすぐに実行できるかといったら、それは難しいです。
なぜなら、人には4つの学習障害があるからです。
一つ目は、固定観念が強く、勝手に解釈してしまう「見たことを認識しない障害」。
二つ目は、リスクを考えて発言しない「思ったことを言わない障害」。
三つ目は、正論を言うが、実行しない「言ったことをやらない障害」。
四つ目は、過去の自分を見るのが怖く評価しない「やったことを見ない障害」。
この四つの障害が、私たちの学習や、成長をストップさせてしまいます。
「思う」「言う」「やる」「見る」
この簡単な四つのことを意識し、行動すること。
これが何よりも大切です。
ボーナストリビア:タバコはEDを起こすのか?
障害といえば、(下世話な話)一昔前に、「メンソールのタバコを吸うとインポ( ED =勃起不全)になる」という噂がありました。
これは、 ・米国進駐軍が日本人を絶滅させるために持ち込んだ ・ベトナム戦争で兵士のモラル低下を防ぐために軍上層部が仕込んだ などという由来が語られています。
がしかし、これらはすべて都市伝説です。
メンソールのタバコと EDを結びつける研究データは、現状、存在しません。
ですから、「メンソールのタバコ=ED」は間違いなのです。
ただ、メンソールに限らず、タバコを吸う行為自体、EDを引き起こす可能性はあります。
というのも、喫煙するとニコチンが血管を縮めるため、ペニスへの血流障害が起こり、勃起できなくなるからです。
となると、男性諸氏にとって、喫煙は、恐ろしい行為なのかもしれません。