『ブルーピリオド』第8巻の(私的)名言です!
この巻では「中間試験」「文化祭」「夏休み」「二学期スタート」などが主な要素です。
特に文化祭がメインのお話となっています。
8巻の名シーン
そっか 家とか文化も もともとあるわけじゃない
——矢口八虎
みんな人が作ってくものなんだ
知識ってすごいな
ちゃんと見てたはずなのに
全然見えてなかった気さえする
——作品ってどういう意味ですか? 受験絵画ってことすか? じゃ教授たちに褒めてもらえるような作品を作ってもそれって「美大絵画」にしかならないんじゃないんすか?
——猫屋敷あも
あはっ なるかも〜〜〜〜〜〜
でもそれ言ったら何やってもレッテルは貼られるけどね
アタシだって偏ってるし そこから何を学ぶかは矢口くんの自由さ
……でも今の矢口くんは そもそも偏るほど選べてないね
思いつき自体はとても大事 でもそれはドローイングでやるものかな しかもその「思いつき」に素材や展示の仕方が追いついてなかった
今回はその逆
「思いつき」というよりは「知識」や「経験」の魅力に振り回されているこの場合 渋谷は「モチーフ」でしょ?
——猫屋敷あも
渋谷が「テーマ」だとしたらまだ選び足りてないな
君は渋谷で何を表現したいの?
いや
渋谷の何を表現したいの?
渋谷を何に表現したいの?
渋谷を何で表現したいの?
「ソレ」を人に伝えるためにはどんな「思いつき」がピッタリくる?
どんな描き方?
どんなモチーフ?
どんな素材?
どんな大きさ?
どこにどうやって置く?
それが本当に伝えたいことにピッタリくるのか
吟味して
検証して
繰り返して
君が選んだものが
君の作品になるもの
考えてたつもりだったけど結構勢いで描いてたのかな
やっぱ わっかんねー…
——矢口八虎
……でも
だからって新しいものを恐れるのも違うだろ
吟味して検証して繰り返して
たくさん考えて手を動かしてトライ&エラーだ!
もう一回初めから考えよう
すぐに役立つものだけが良いものじゃないよ
——鉢呂健二
むしろそいうものの方が長い目で見たら大事だったりして
街に積み重ねがあるように
——矢口八虎
自信になるまでの積み重ねがあるんだ
どうすれば良いかも考えずに文句いうのはもっとダサいだろ
——矢口八虎
素材 メンバー 状況 運
——三木きねみ
その時の全部を使って作るのが作品じゃないですか
順境よりも逆境の方が良いものができることもあります!
終わりが見えててその通り終わんのって
——矢口八虎
なんかもやったことある作業の時だけよな
慣れてない作業はその倍かかるし
——みんなで一つのもの作るのって大変だねぇ…
そっすね自分一人で突っ走ってもしようがないし
——矢口八虎
かといって意見聞きすぎるのも進展しないし
常に冷静でいなきゃいけないのもきついところすよね…
こえー
——田無さん
このハイな感じ
今までの大変さ全部いい思い出に上塗りされそうだわ
上手いだけの何がそんなにいいの?
——矢口八虎
そこにテーマとか表現がないと…
上手い絵にも意味がある…
上手さがなにかを産むこともあるのか…
今 ベスケラすみたいなに描けても当時みたいな評価は受けない
だから手放しに「上手い絵」が良いっていうのもたぶん違うでも
——矢口八虎
——どこが「良い」よりどこが「ダメ」ばかり見て…
自分にも他人にも…俺が言われて嫌だと思ってたのに
勝手に自分の言葉にして視野を狭めてたな…
学校って友達つくりに行くとこじゃないだろ
——高橋世田介
——てか世田介くん モザイクの進み早くない⁉︎
ずっとやってたから
——いやいやいや俺もやってるけど全然…
やってないだろ
自分で上手くないと思うなら遊んでないで手動かせば
僕はそうしてきただけ描いてきただけ
——高橋世田介
おわり
天才は万人から人類の花と認められながら、いたるところに苦難と混乱を惹起する。天才はつねに孤立して生まれ、孤独の運命を持つ。天才が遺伝することはありえない。
スイスの作家、ヘルマン・ヘッセが『ゲーテとベッティーナ』という本の中で述べた言葉です。
この8巻の終わりで、
周りからずっと「天才」と言われてきた、高橋世田介くんの身にある問題が起こります。
「天才」と言われ続けてきた彼は、実は、
「絵がうまかったから」ではなく、「筆記テストの点数が良かったから」芸大に入学できた
という噂が浮上してきます。
僕なんかは、それでも入学できたならこっちのモンだ、と思ってしまいます。
ですが「天才」と言われ続けてきた彼は違うでしょう。
綺麗な花だからこそ、枯れるのも一瞬なのかもしれません。
がんばれ、世田介!