その日 人類は思い出した
奴らに支配されていた恐怖を……
鳥籠の中に囚われていた屈辱を……
さて本日は、「進撃の巨人」について書いていこうと思います。
僕の大好きな漫画の一つです。
初めてこの作品を知ったのは、当時自分が通っていた剣道のクラブチームの友達が、「これ面白いから読んだ方がいいよ」とおすすめされたのが初めてでした。
その時はまだ3巻が最新刊で、よく通っていたブックオフでも新刊と変わらない値段で売られていたため、手が出せない状態でした。
それから数年後、本作と再び出会いました。
今度の出会いはテレビの中でした。
毎週録画していたアニメが終わっていたと知らず、再生ボタンを押しました。
その時に流れたのが、「アルミン・アルベルト」の上記の言葉でした。大好きな言葉なのでもう一度言います。
その日 人類は思い出した
奴らに支配されていた恐怖を……
鳥籠の中に囚われていた屈辱を……
もう……鳥肌が立ちましたね。
飛んだり、走ったり、戦ったりと、何もかもてんこ盛りで最高でした。
すぐにその年のお年玉全額を持って、全巻を買いに行ったのを今でも覚えています。
もちろん、全て新品で買いました。
今年の6月9日に最終巻が出版され、本作品も完結を迎えました。
作者の諫山創先生、本当にお疲れ様でした。
これからもずっと応援しています。
1巻の簡単なあらすじ
今回は『進撃の巨人』の第1巻に焦点を当てて書いていこうと思います。
本作のストーリーを一文で表すと以下の通りです。
「壁内で暮らすエレンイェーガーが、壁の外の世界を目指し、巨人たちと戦う物語」
これだと簡潔すぎるので、もう少し掘り下げます。
一巻の内容を簡単にまとめると以下の通りです。
※一巻を未読の方は、ネタバレありですのでご注意ください。
壁内で暮らす、エレン・イェーガーは、外の世界を知らず、ただ寝て起きて、ご飯を食べられれば満足の、家畜同然の暮らしに辟易し、外の世界に行くために調査兵団に入ることを志します。
そのことを、母のカルラや、同じ家で生活してるミカサ・アッカーマンなどに知られ、猛烈な反対を受けます。それでもエレンは、調査兵団に入ることを強く決心し、カルラからの反対も強引に拒みます。
そんなある日、平和な生活が突如として壊れてしまいます。50メートルに及ぶ壁が、『超大型巨人』によって壊されてしまうのです。壊された壁から大量の巨人たちが入ってくる中、エレンはカルラがいる家に駆けつけます。
家は壁の破片によって潰され、カルラはその下敷きになっていました。どうにか助けようと試みるものの、どうすることもできません。
そうこうしてる内に、一体の巨人が彼らのエレンたちのもとへと近づいきます。その時たまたま近くにいたハンジさんによって、エレンは無理やりカルラの元から離され、母が巨人に食べられる一部始終を目の前で目撃します。
この時、エレンの壁の外に出たいという目標は、「未知の世界への好奇心」から「巨人を一匹残らず駆逐する」という目的ヘと変化します。845年、エレンがまだ10歳の時の出来事でした。
それから2年後、エレンは、ミカサ、それから友達のアルミン・アルベルトと共に、訓練兵団に入団します。そして、さらに3年後、全課程を終了した850年、物語は再び大きく動き出します。
エレンの前に、突然『超大型巨人』が再び現れます。5年前と同じく壁が壊され、そこから大量の巨人が入ってくる。ちょうどその時、調査兵団(巨人を倒す兵団)は壁外調査に出ており、壁内にいる104期訓練兵団の卒業生たち(エレンの同期)だけで、巨人を討伐することになった。
エレンは突然のハプニングにも関わらず、勇猛果敢に巨人に立ち向かいます。その姿に影響を受けた周りの仲間たちも、エレンに倣(なら)い、果敢に巨人を倒そうと試みます。
ですが、実践は訓練と異なり、ちょっとしたミスで多くの仲間たちが巨人に殺されていきます。アルミンだけは、どうしても動くことができず、その場で立ち尽くし、仲間が食われるのをただ、黙って見ているだけでした。
そんなアルミンの元にも一体の巨人が現れ、アルミンは簡単に食べられてしまいます。と、その時、エレンがその巨人の口内にまで入り、アルミンを引きずり出します。ですが、その反動で逆にエレンが巨人に食べられてしまう。
と、すいません。「簡単なあらすじ」のつもりが、気がついたら……こんなことになっていました。
最後まで、お読み頂きありがとうございます。
初感
一巻の衝撃は凄まじいものでした。
「え?……主人公、死んじゃったよ。……これからアルミンが主人公?」
とさまざまなことを考えました。
僕はアルミンが大好きなので(最初は女の子だと思ってました)
主人公チェンジでも全然OKだったのですが、その後の物語展開は僕の予想をはるかに超えてきました。
もう読んでいて手が震えましたね。
アニメもいいですが、僕はやはり漫画が好きです。
本が好きというのもありますが、
やはり諫山創先生の絵やセリフの書き方、コマの配分などが大好きだからというのが一番大きな理由です。
「どんな絵の見せ方で読者を楽しませてるのか」
「どんなところでセリフを改行し、何を削っているのか」
「どんなことを考えて1コマ1コマ配置しているのか」
アニメと違って、漫画はゆっくりと、色々なことを考えながら楽しむことができるのが何よりいいですね。
もちろんアニメも好きです。
今季、冬の第4期Part2も楽しみにしています。
さてここからは、僕の個人的に好きなシーンを3つほど紹介していきたいと思います。
家畜の安寧 虚偽の繁栄 死せる餓狼の「自由」を!
一生 壁の中から出られなくても……
メシ食って寝てりゃ生きていけるよ…
でも…それじゃ…
まるで 家畜じゃないか
「エレン・イェーガー」というキャラクターをよく表した一言だと思います。
「自由でありたい」という信念を貫き、どんな人が相手でも、それを貫く。
そんな姿がこのセリフからは滲み出ています。
僕の大好きな本に『選択の科学』というものがあります。
この本では「自由」が2種類に分けられています。
一つは、「目標の追求を妨害する外部の力が存在しない状態」。
これを本書では「からの自由」と定義しています。
もう一つは、「自分の潜在能力を十全に発揮するできる自由」。
これを本書では「する自由」と定義しています。
我々が自由であるにはこの2つの自由がなければなりません。
子供がクッキーを食べるのを許されていても、棚の上のクッキーの瓶に手が届かなければ、それを手に入れることはできません。
本作の場合は、エレンには「壁の外に出る」という「からの自由」さえ、許されていません。
また『選択の科学』では、別のことも述べられています。
「動物園の動物の平均寿命は短い」。
一方で、「高ストレスのはずの社長の平均寿命は長い」。
動物にとって最も重要なことは、状況をコントロールできるかどうかということです。
本書の言葉を使えば、「自己決定感覚」を持っているかどうかです。
僕がまだ中学生で、エレンのこの言葉を読んだ時に興奮を覚えたのは、エレンが僕に「自由」のあり方を説いてくれたからかもしれません。
今の我々も、同じかもしれません。
エレンたちのように、目に見える壁は存在しませんが、我々の周りにはいつも超えられない「壁」が存在します。
流行の服や音楽を知らないと、周りから除け者にされる。
就職をしないと、ニートと呼ばれる。
大学の偏差値が高くないと、バカだと言われる。
人は皆、特定の視点から見れば、家畜であり、不自由です。
我々は一体何に心臓を捧げて生きているのでしょうか。
そんなことを考えさせてくれる言葉でした。
踏まれた花の 名前も知らずに
いつか外の世界を探検できるといいね……
ある日アルミンが、祖父が隠し持っていた本を携えてエレンの元へ来たときの言葉です。
「この本によると この世界の大半は「海」っていう水で覆われているんだって!! しかも「海」は全部塩水なんだって!!」
「炎の水」「氷の大地」「砂の雪原」
僕はアルミンが本を携えながら、こんなことを楽しそうに話してるシーンがとても好きで何度も読み返しました。
果てには、ツーショット写真まで撮りました(もちろん自撮りです)。
エレンが外の世界に興味を持ち始めたのは、アルミンのこの話がきっかけです。
好きなことを楽しそうに話すのには、人の心を動かす力があるのかもしれません。
僕も好きなこと楽しく書いて、誰かの心を動かす力になれたら嬉しいです。
これからも頑張ります。
最後に
これは本当に僕の独断と偏見なのですが、
上の画像の3コマ目、ミカサの「!!?」の顔がとても好きなんですよね。
2コマ目の「……!?」の顔もとてもいいですよね。
また、あえて「!?」ではなく、「……!?」と表現したり、
三コマ目では「!!?」と表現したりしているのは、すごいなと思いました。
もし僕とかが描いていたら、ここら辺テキトーに、「!?」(2コマ目)から「!!」(3コマ目)とかにしてたと思います。
「諫山創先生、さすがだな」と思いました。
以上です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。