[漫画の一言]『ブルーピリオド』Part5 —— 努力は運の幅を広げてくれる

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本日はブルーピリオド第五巻です!

藝大一次試験を無事合格した矢口八虎(主人公)・桑名マキ・橋田悠の三人が、二次試験までに激動の10日間を描いた内容です。

果たして矢口は無事合格できるのか。

5巻の名シーン

——あんだけちゃんと息抜きできんのはマジですごいわ

そっか 俺 ずっと息止めて集中してた
でも止めてるばっかじゃ 息を抜かなきゃ呼吸はできない
 息を抜くのはサボりじゃないんだ…

呼吸ができれば視界がすっきりと…

——矢口八虎

「絵」として見ると
10人が10人 面白いと思う場所が違うんだ……

——矢口八虎

……はは 
いつの間に俺ってそんなに偉くなったの?
マジだっせぇ
最初からわかってたことじゃん…!

俺は凡人なんだ…!

——矢口八虎

結果を求めた人に
結果が全てじゃない
なんていうつもりはないわ

だけどどの大学に行くとかって話じゃない

この数ヶ月 君たちは自分の弱さと強さに向き合った
そして描き続けた

それは結果ではなく
必ず君たちの財産になるわ

じゃ!また明日!

——大葉先生

自分は
まだまだなんだって
ハッキリして

悔しいけど 安心 したんだよね

だから発表もこえーけど
なんかもはや他人事なんだよな

——矢口八虎

努力は運の幅を広げてくれるじゃないの

先生たちが生徒の努力を認めなくてどうするんですか!

——大葉先生

絵が得意で
ずっとやってても
すごく好きでも

戦うことがツラいいなら
それを選ばなくてもいいんだよね

自分に無理のない選択すんのって
案外むずいじゃん

——桑名マキ

色を乗せればいいわけじゃない

選ばないっていう
選択をすることも同じくらい大事

考えてみればそれだけのこと

自分の感覚 全部研ぎ澄ませれば
自分が今何を大事にしたのかが少しずつわかる

一つ一つの色に心が動く
ただ絵として美しいから選ぶんじゃない

——矢口八虎

君は溺れてる人がいたら
救命道具は持ってきても
海に飛び込むことはしない

裸で泣いてる人がいたら
服をかけて話を聞くことはあっても
自分も脱ぐことは絶対にしない

教えてやるよ
冷静なんだ 君は
正しいよ
正しいから優秀なのさ

君はいつだって優秀だ
でもさ……っ

正しい場所からしか話せないなら
アタシがお前に話すことは何もないね……っ!!

——鮎川隆二

自分以外はみんな変人よね〜

自分が「普通」だと思っていることは
「その人らしさ」だったりするのよ

でも
自分にとっての「普通」はみんなにとっての「普通」だと思っちゃうから
一人でそれに気づけないのよ

——大葉先生

大事なのは
何を選んだら一番気持ちよく描けるか
それだけよ

——大葉先生

自分らしくないもに触れてみないと自分の世界が広がらない

それに
自分のいいところは案外
他人がが見つけてくれたりするのよねー

——大葉先生

中学の頃
友達に「死にたい」ってぼやいたことがあってさ
そしたらね

「じゃあ裸になって死になよ」

「恥ずかしいと思うなら」
「どう見られてもいいと思えないなら」
「まだ死んじゃダメだよ」

てね だから俺はまだ死ねないの

——鮎川隆二

うーん…

努力っつーと聞こえはいいけど
やってないと怖いだけなんだよマジで

センスも才能もないから
やってないことはできないし

目標もないと何していいかもわからない
理論武装しないと人と喋るのも怖い

周りの人間は過大評価してくるけど
俺からしたら
コストかけなくても
ある程度できてる
やつのほうがすごいよ

俺くらいやれば
多分大抵の人間は俺よりできるようになるんじゃね?

——矢口八虎

まあ落ちたら俺のせい

受かったら俺のおかげ

それだけだろ

——大葉先生

自分の裸を見つめ
自分の裸を見せるのは
ありのままを認めること

綺麗なところも汚いところもね
難しいのよ〜?

一生
服を着たままの人だってたくさんいるわ

——大葉先生

楽しく
冷静に
情熱的に

かましていきましょう!

——大葉先生

おわり

「裸にて うまれてきたに 何不足」
小林一茶の俳句です。

赤ちゃんとし生まれてから、老人として死ぬまで、我々はほんとうに多くの服を着ます。

「ブランドもの」を着ることはもちろん、「進学」「就職」「結婚」など、我々は多くの服を着ては脱ぎを繰り返します。しかし、裸になることは滅多にしない。

だからこそ、「服を脱ぐ」という行為にはそれだけ価値があるのかもしれません。
服がなくなればそれは、ほんとの「自分」です。

「自分になる」とは「裸になる」こと。
「裸になる」とは、「赤ちゃんになる」こと。

死ぬまでにもう一度、赤ちゃんを経験しておくのも悪くないかもしれません。