『ブルーピリオド』シリーズ第六弾です。
矢口八虎が芸大に合格し、その後の大学生活が描かれています。
7巻の名シーン
藝大に合格したとき
——矢口八虎
正直どうしていいか分からなかった
その感情は日に日に大きくなって
俺は毎日手を動かした
手を動かしている間だけは余計なことを考えなくてよかったから
大学受験を通過点と捉えるか
——花影真里亞
目標地点と捉えるかは
能力の差じゃなくてー
思い入れの差なのよねー
でも通過点はちょっと勿体ないかな
——花陰真里亞
通過点もゴールも
”生きる場所”じゃないからさ〜
何も失わないし
何も得られないってこと
大学でしかできない経験は必ずあるんだよ
——花陰真里亞
大事なんのはそこで何を感じて
何をやるのかってことじゃないかな〜
全ては自分のために
自由な時間が多い…
——櫻井先生
もとい
時間の使い方を任されているんですよ
4年間
制作するのか
遊ぶのか
勉強するのか
気にするな
——矢口八虎
気にするな
時間はまだある
幸福度の比較なんか意味ないよ
——桑名マキ
人の痛みなんか
想像でしかないんだから
予備校の一位とると
——桑名マキナ
その年は受からないってジンクス覚えてる?
…あれってさ要は
その時の絵から帰るのが怖くなっちゃうってことなんだよね
でもさ
落ちてよかった
なんて死んでも思わないけど
ちょっとだけ
ちょっとだけ落ちて安心したんだよね維持する努力を続けてたら
——桑名マキナ
報われるって幻想がぶっ壊れて
評価を裏切っちゃいけないとか
——桑名マキナ
思わないでね
ほんとに自分を許せんのって
マジで自分だけじゃん
人のことなんか気にすんな
——矢口八虎
なんて言えないけど
ほんとは何だってやっていいはずなんだよね
自分の人生
自分のもんなんだから
目的のない勉強って
結局あんま身になんないし…
だから
今は立ち止まって
いろんなことして
いろんなもんに心動かす方がいいかなってちょー遠回りかもだけどね
——矢口八虎
なんども同じ間違いをするかもしんない
他の人より遅いかもしんない
でも
——矢口八虎
心を殺さないことを大事に過ごそう
おわり
批評家たち——彼らは殺人鬼である。
イギリスの詩人・コールリッジの言葉です。
この第7巻では、まさにそうだな、と感じました。
彼らは、自分の言いたいことを言い、そして言えば満足し、すぐに忘れてしまう。
まるで腹が膨れればそれでいい、獣と同じです。
だからこそ、我々は断固とした心を持つことが何よりも重要であると感じました。