ロシアを代表する文豪にドスト・エフスキーがいます。『罪と罰』を書いた人物です。
彼は19世紀を代表する文豪です。しかし、彼の残した作品は、その後も、さまざま偉人たちが愛読書、哲学書、聖書として、読まれ語り継がれることになりました。
アーネスト・ヘミングウェイ
フランツ・カフカ
ジャン=ポール・サルトル
フリードリヒ・ニーチェ
アルベルト・アインシュタイン
芥川龍之介
大江健三郎
人種を問わず、多くの偉人たちが彼の小説を手に取り、そして、たくさんのことを教わりました。
伝説の5分を、生きた男ドスト・エフスキー
ドストエフスキーが作家デビューをした、ちょうどその頃。(デビュー作は『貧しき人びと』。当時25歳)
彼は政治運動にも参加するようになりました。
この時代、ロシアは、皇帝が統治していました。そしてそれと同時に、「フランス革命」の影響がヨーロッパ全土に広がっていた時期でもあります。
ドスト・エフスキーは、友人たちが自由のために活動しているのを知り、その計画に加わります。しかし、その活動は、政府のスパイによって露見し、友人たちと一緒に逮捕されることに。
銃殺刑を宣告された彼は、死の直前に多くのことを考えました。
「もし……もし私が……私が死ななければ」
「……もし生きれば」
「私の人生はきっと……永遠のように感じるだろう。」
「もし生き残れば……」
「人生の1秒も無駄にしないだろう」
司祭の説教が終わり、最後の5分の時間が与えられます。
28歳の若い彼にとって、「最期」の5分は実に短い時間でした。
死を直前にした彼は……
2分で仲間の死刑囚たちに別れを告げ、2分で今までの人生を振り返り、そして1分で……自然の美しさと大地に感謝を捧げることにしました。
すでに仲間の挨拶を終え、2分が経過していた。
そして、次の2分。そこで、……過ぎ去った歳月を大切に使わなかったことに、心から後悔しました。
ああ、生きたい。
そして、頭に頭巾がかぶせられ、兵士が銃を構える音がします。
と、その時です。
一台の馬車が、刑場に乗り込んできます。
そして、馬車から降りた侍従武官は刑を読み上げます。
「被告は、4年間のシベリア流刑に処し、その後、兵士として兵役につかねばならない」
死ぬ気で生きる男、ドスト・エフスキー
こうして、ドストエフスキーは、死刑になる代わりに、極寒のシベリアへ送られることになります。
地獄のような環境の中、彼は頭の中でいろんな作品の構想を練りました。
そして、彼はことあるごとに「あの5分間」を思い出します。
毎日、毎日、あの時間を思い浮かべながら、その日を、人生最後の日だと考えたのです。
作品ひとつひとつが、自分の最期の作品だと思い、ひたすら書き続けます。
『罪と罰』
『白痴』
『カラマーゾフの兄弟』
そんな、1人の人間が死ぬ思いで書いた作品。
きっと現代のぼくたちの生き方にも大きな影響を与えてくれるはずです。
とりあえず、首元でのたれ死んでいるフードをまぶかに被りながら、「最期の5分間」を擬似体験してみましょう!
もしくは、トイレの鏡に向かって「今日が最期の日ならどうする?」と、スーティブ・ジョブス流を試してみるのもいいでしょう!
きっと、何かが変わるはずです。
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