テクノロジーが発達するこれからの世界。
私たちの自由意志は確保できるのでしょうか?
自分で考え、選んでるつもりでも、実はその意思決定がテクノロジーによってハックされているからもしれません。
ハックされた人類
私たちの自由意志がテクノロジーによって、ハッキングをされつつある理由として、3つの要素が大きく関係しています。
それは、「生物学知識」「データ」「演算能力」です。
現代のテクノロジーは、脳や身体を動かす理解が進み(生物学知識)、たくさん「データ」が溢れ、そのデータから瞬時にメカニズムを読み取る能力が高まっています(演算能力)。
そのため、この3つの要素を掛け合わせることで、人間の意思決定をハックすることが可能になるのです。
世界の危機と、仲間割れ
環境問題だけでなく、AIやバイオテクノロジーは、人間のあり方そのものを変えようとしています。
そして、核兵器をはじめとした、戦争兵器。
これらの問題はもはや、一国レベルではどうすることもできない段階まできています。
しかし、かたや各国の政治や政策は、「自国ファースト」となっています。
強大な敵を前にして、「お前やれよ!」「いや!私は絶対、いや!」と、コミュニティは、どんどん分断化してきています。
このような現状に、私たちは、どのように対処すべきなのでしょうか?
心と脳
そこで重要になるのが、「心」です。
「10%しか活動していない」といわれる脳の分野、脳科学は、スキャナーなどのテクノロジーによって、飛躍的に解明されています。
しかし、「心」に対するテクノロジーの理解は、まだまだです。
大勢の人が、「脳と心」を混同しがちです。
しかし、両者はまったく異なります。
「脳」は、ニューロンとシナプスと生物学物質の、物質的なネットワークです。
一方、「心」は、快感や痛み、喜びや悲しみ、愛や憎しみといった、主観的に経験です。
瞑想などにより、「心」と向き合うことで、私たちは自分と向き合い、客観的に「自分とは何者なのか」を知ることができるのです。
おわり
自分は何が好きで、何を嬉しいと感じ、何に対して悲しさを覚え、そして、何に熱狂的で、何を成し遂げたいのか。
「自由な意思決定」をするには、それらを知っておく必要があります。
それが「自己理解」であり、「心」を理解することです。
本書の著者、ハラリさんは、「あくまで自分のケースでは」と前置きをしつつ、瞑想を強く薦めています。
世界最古の瞑想として、四大文明の一つ、インダス文明の遺跡・モヘンジョダロから、座して瞑想 しているような人が刻まれた印章が発見されています。
進化し続ける時の流れとは逆に、あえて、古代から伝わる「瞑想」に、私たちはもっとフォーカスすべきなのかもしれません。
ボーナストリビア:「忙しい」の「忙」の成り立ち
よくビジネス書や自己啓発書には、「「忙しい」という言葉は、自分にも相手にも毒である」ということが書かれています。
「忙しい」という言葉は、自分の心に余裕がないことを、自分で確定させることになるからです。
そもそも、「忙しい」の「忙」を分解すると、「心を亡くす」と書きます。
「忙しい」状態とは、自分の「心」を見失っている状態を指すのです。
どんな状況においても、その状況を解釈するのは、いつだって自分自身です。
現実をどう解釈するかで、人生は決まります。
自分から「忙しい忙しい」をアピールこと。
この行為は、自分の心を亡くすだけでなく、相手に、「被害者ヅラがしたいだけのかまってちゃん」、「仕事のコントロールができない、仕事ができない人」、というレッテルが貼られてしまいます。
話は少し変わりますが、私の好きな漫画に『宇宙兄弟』という作品があります。
本作品で登場するあるエピソードに「一切れのケーキ」というお話があります。
そこで登場するのが「It’s a piece of cake」という言葉です。
意味は「楽勝だよ!」です。
これからみなさんも、何かしら危機や崖っぷちに立たされることがあるかもしれません。
しかし、いつだって、その状況を解釈するのは、「自分自身」であるということを忘れないでください。
「It’s a piece of cake!」
ぜひ、皆さんも使ってみてください!