[ひと息読書]「科学が突き止めた『運のいい人』」——運なんて存在しない

書物
スポンサーリンク

本日は『科学が突き止めた「運のいい人」』について書いていきます。

本書は脳科学者・中野信子さんが書かれた一冊で、中野さんは以前に取り上げた『努力不要論』と同じ著者の方です。

「運」というのは、とても興味深いテーマです。
我々は、暇さえあれば「運がいい」「運が悪い」「ついてる」なんて言葉を口にします。

そんな「運」について科学的に証明してくれたのが、本書です。

まず初めに本書の結論を記しておきます。

「運だろうと、不運だろうと、それは誰の身にも、公平に起きているものであって、その運をどう生かすかについて、我々は主体的に関わっていける」

そして、「本書の中で「運」において最も重要だと述べられているのは、「人間関係」「継続」です。

以下で詳しく解説します。

科学がつきとめた「運のいい人」

人間関係

ずるいくらい強運をもたらすのは「人間関係」にあります。

例えば宝くじ。
不運な人は、宝くじをテキトーに買い、
幸運な人は、人間関係から得た情報を元に、当たる宝くじを探し、そこで買いまくります。

上記のように有益な情報を得るためには、「人間関係」が重要です。

そしてこの「人間関係」を築くには、『自分をVIP扱い』することが重要である」と述べています。

自分を大事にできない人は、一番味方であるはずの自分ですら敵になり、誰からも大事にしてもらえなくなります。

結果、有益な情報を教えてもらえない、不運な人になってしまうのです。


「割れ窓理論」と言うものがあります。

窓にひび割れがあり、何もせずそのまま放置されているオフィス(みんなが使う場所)があったとしましょう。

このオフィスで働く人たちは以下のように考えます。
「メンテナンスされずに放置されているんだな」
「大事に扱う必要がないんだな」

こんな風に考えられたオフィスは、窓意外のところも次々と壊れてしまう。

これが「割れ窓理論」です。

自分を大切に思わない、「割れた窓」だと思っている人のことを、誰も大切に扱おうなんて思いません。
良好な人間関係を築くためにまず重要なことは、自分自信を「綺麗な窓」にすることです。

「自分を大切にすること」を忘れないでください。

継続

先程の例に戻ります。
宝くじを当てるのに、一番確率が高いのは、買い続けることです。

「ハリー・ポッター」の著者である、J・K・ローリングさんは有名です。
5億部以上を売り上げ、数百億円の資産を持つ方です。

ですが彼女はもともとそんな輝かしい人ではありませんでした。
うつ病で生活保護を受けながらの貧乏生活の中で、ハリーポッターを執筆していたそうです。

ハリーポッターが出版されるまでの道のりも、生やさしいものではありませんでした。
12社の出版社から断られ、13社目で出版が決まったそうです。

普通の人のなら、まず12社も、出版社をあたりません。
買うのを諦めそうなクジを継続して買い続けたから、「運のいい人」になれたのです。

強運の人はそもそも、トライしている回数が多いのです。
つまり「継続」です。

そしてこの「継続」において重要なことは、「自分は運がいい」と思い込むことです。

「運が悪い」と思っている人は、宝くじに当選しないのは運が悪いせいだと諦めてしまい、これ以上頑張っても、仕方ないと、心が折れてしまうのです。

一方で、「運が良い」と思っている人は、まず、自分のやり方が悪いと考えます。そして、「修正すればきっとうまくいく」というモチベーションになり、心理的に継続しやすくなるのです。

最後に

本書では次のようなことも述べられています。
「運なんて存在しない」

例えば、ある日、Aという道を通おり、たまたまそこで1億円を拾えたとしましょう。

しかしこれは幸運なのでしょうか。

もしかしたら、Bという道を通っていたら、100億円が拾えたかもしれません。
もしかしたら、その1億円によって、重大な事件に巻き込まれるかもしれません。
もしかしたら、その人は明日、死ぬことが決定しているかもしれません。

結局、運というものはテキトーなものなのです。

我々は目の前で起きた現象だけで、運が良い・悪いを判断しています。

ですがその実は、根拠のないものばかりです。


ランダムウォーク理論というものがあります。

例えばコインを1万回投げたとします。

「表」が出るのは、確率的には2分の1です。
ですが実際にはそうはなりません。

「表」「裏」がそれぞれ、5000回ずつ出ることはありません。
大体、2〜300ほどの誤差が生じます。

この理論で言いたいことは、「偶然、10回裏が出ることもあるが、それでも全体的には、大体半々に落ち着く」ということです。

我々の人生でも、裏が出つつける事態は幾度となくあるでしょう。
「人生、山あり谷あり」なんて言ったりするように、人生はそういうものです。

ですから、本当に「運がいい人」というのは、コインを投げ続けられる人のことを言います。

何回裏が出ても、「私は運がいい」と思いこみ、「継続」し続けたものだけが、いつか表を出せるのです。

この時、近くに表の出し方を教えてくれる人がいるとさらにいいですね。

「継続」と「人間関係」

今この記事を読んでいるあなたは「運のいい人」です!

書物
スポンサーリンク