その昔、お金がまだ「紙幣」ではなく、「金」が使われていた頃の時代。
アドルフ・ゴールドスミス(ゴールドシュミット)という、「金の細工師」がいた。
彼はまず、最初の偉業として、「金」を持ち運びに便利な、今の形にした。
それから彼は、金を盗まれないようにするために、金庫も作った。
やがて、ゴールドスミスの金庫が安全そうだと思う人々が現れ、
「手数料を払うから、お金を預かってくれ」と言ってきた。
ゴールドスミスは、お金を預かり、持ち主に「預かり証」を渡した。
これが「銀行の始まり」と言われている。
(現在では銀行が利息を支払うが、当時は預けた人が手数料を払うシステムであった)
やがて、この「預かり証」は、「金」として、決済に使われるようになる。
「これを持っていけば、ゴールドスミスのところで、金と交換できる」と皆が知っていたからだ。
これが、兌換紙幣の始まりである。
それから、ゴールドスミスは、金の貸し出しも始めた。
彼は、預け主たちが、金そのものを金庫から取り出すことを、ほとんどしないということに気づいたからだ。
そこで彼は、金が必要な人に、利息をつけて貸し出すようにした。
また、ここで貸し出したのは、金そのものではなく、「金の預かり証」(紙幣)だった。
そのうち、「金の裏付けがなくても、預かり証を発行できる」ことに気がつき、こうして不換紙幣を作った。
現代の銀行でも、自分のお金の、何倍ものお金を引き出せるが、これを最初にやったのが、ゴールドスミスなのである。
こうしてゴールドスミスは、「通貨発行権」を手にした。
(追伸)
ちなみに、アドルフ・ゴールドスミスの義理の姉(兄の妻)の実家は、ロスチャイルド家であった。
ゴールドスミス家とロスチャイルド家は、その後も金融業を拡大させていったのでした。
本日の名言
「人が失敗する原因は
ひとつしかない
それは本当の自分に対する信頼の欠如である」
ウィリアム・ジェームズ