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簡潔な男・ヘミングウェイ
アーネスト・ヘミングウェイは1954年に『老人と海』でノーベル文学賞受賞したアメリカの小説家です。
彼の作品は他にも『誰がために鐘がなる』『日はまた昇る』『武器よさらば』などが有名です。
そんな彼の小説で特に特徴的なのが、「描写を簡潔にする」ところです。
主人公の感情も、コリに凝った修飾語も使いません。
短い文章で、ただ客観的な事実だけ書く。そんなドライな文章が彼の魅力の一つです。
「立つ」習慣
1954年、『パリスレビュー』という雑誌の記者が、ヘミングウェイに取材するため、自宅を訪問した時のことです。
そこで記者が発見したのは、タイプライターの乗ったスタンディングデスクでした。
ヘミングウェイは小説を、立って書く習慣があったのです。
なぜこのような執筆スタイルをとっていたのか。
それはまさしく、「短く簡潔な文体を追求するためだ」と彼は言いました。
座って書いていると、どうして一文がのんびりとしてしまう。
だから、彼はスタンディングデスクを使い、片足で立ったりしながら小説を書いていたのです。
「立つ」天才はたくさんいる!
『クリスマス・キャロル』『オリバー・ツイスト』などを書いたイギリスの小説家、チャールズ・ディケンズも立って書く習慣を持っていました。
また小説以外の分野でも。
「第二次世界大戦」で連合国を勝利に導いたイギリスの首相、ウィンストン・チャーチルも度々、立って働いていたと言います。
イギリスが行った研究では、スタンディングデスクを使うことで、集中力が増し、疲労感が少なく、1日の作業時間が1時間短縮されたという結果が出ています。
またその他の研究でも、立って働くことには、脳の活性化と、集中力向上が確認されており、また、動脈硬化や心筋梗塞、そしてガンが発生するリスクも低下すると言われています。
もちろん、仕事中に余計なことをせず、最短で作業を終えられることが何よりも大きい効果です。
みなさんも一度、ヘミングウェイになってみるのはいかがですか?(ぼくはいつもヘミングウェイ・スタイルです!)
おまけ:『老人と海』のストーリー
一人の老人がいました。
彼は腕のいい漁師でした。
しかし、数ヶ月ほど不漁が続き、漁師仲間からバカにされます。
そこで彼は、遠い海に二日をかけていき、700キロもの巨大なカジキを捕らえることに成功します。
ところが、帰る途中、サメの群れに襲撃を受けてしまいます。
カジキを狙うサメと、壮絶な戦いを繰り広げる老人。
「A man is not made for defeat…… a man can be destroyed but not defeated.(人間は負けるために造られた存在ではない。破滅しても、負けはしないんだ)」
サメとの戦いを抜け、なんとか家にたどり着く老人。
ただ彼に残っていたのは、カジキの頭と骨だけでした。
疲れ果てた老人はやがて深い眠りにつきます。
この作品にはさまざまなものが投影されています。
なかでも老人の生き様には、現実世界で生きる我々の苦悩と重なるところが、多いのではないのでしょうか?
老人が暗い海の中で、ただ一人、死闘を繰り広げる。
漁師仲間に笑いものにされ、それでもと発起してやっと得たチャンス。
だが、そのチャンスもクジラによって再び水泡に帰すことに。
それでも、彼は「人間は負けるように造られてはいない」と叫ぶ。
ぼくたちはそんな老人の生き様から何を学べるのでしょうか。
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余談になりますが、ヨルシカさんの曲に『老人と海』という作品があります。
ぼくも大好きなアーティストなので、ぜひみなさんも聴いてみてください。