ピラミッド目標
何かを行動するとき、目標を立ててから始める人も多いのではないでしょうか。
ただ目標といっても、色々な目標の形があり、ただ漠然と目標を立てる人もいれば、将来なりたい自分から逆算的に小さい目標を次々に立てる人もいたり、人それぞれです。
本書では、ピラミッドで立てる目標が紹介されています。
これは目標をピラミッド構造で組み立てるもので、大きく3つの構造で目標を立てます。
それは、「最上位目標」「中位目標」「下位目標」の3つです。
究極的に何を成し遂げたいのか?(最上位目標)
そのために何を実現したいか?(中位目標)
そのために何をやるのか?(下位目標)
努力の5つの罠
人が努力をするときに陥る罠は大きく5つあります。
1つ目は、「あれもこれも」状態。
最終的にどうなりたいか、「最上位目標」が設定されていないがために、努力をしている最中、目標が二転三転してしまうのです。
2つ目は、「なんのためにやってんの?」状態。
努力をしていると、たくさんの邪念が浮上します。
すると、段々と自分は何を実現するため、なんのためにこの行動をしているのかわからなくなります。
こうならないために設定するのが、「中位目標」です。
3つ目は、「ポジティブ空想」状態。
これは逆に「最上位目標」しか設定していない時に生じる状態です。
中位目標や下位目標がないため、状況を具体的に視認できていないのです。
4つ目は、「無関係乱立」状態。
これは、ピラミッド構造から脱線した、全く関係ない目標が存在している状態です。
5つ目は、「手段の目的化」状態。
手段が目的になってしまう。
具体的な行動を決めた「下位目標」にフォーカスしすぎて、「下位目標」にこだわり続けてしまう状態です。
おわり
本書の表紙に書かれている「GRIT(グリット)」は、「やり抜く力」という意味です。
100歳まで生きることが当たり前になろうとしている現代。
人生は、長距離マラソンです。
短距離のタイムだけに拘らず、泥臭く、長い時間走り続けることが大切です。
「情熱」や「粘り強さ」。
受験勉強や、部活動、結婚、ビジネス。
人生のあらゆる局面で、目標をたて、それを最後までやり抜く。
それこそが、これからの時代を生きる上で、大切な力なのです。
ボーナストリビア:変化に間に合う人になろう!
麻雀の世界で 20年間無敗。
「雀鬼」と呼ばれた桜井章一さん。
桜井さんは、「運」にかんする本をたくさん書かれてます。
例えば、『運に選ばれる人、選ばれない人』では、「人間の運を決めるのは何か?」について、 「変化に間に合うかどうか」ということが書かれています。
「全てのものは絶え間なく変化しているけれども、それにリズムを合わせることができれば、自然に運命は変わる」
というのです。
「変化に間に合うよう、機転を利かせた人物」そんな人がいつの時代も天下をとってきました。
例えば、豊臣秀吉。
秀吉は、信長の草履を温めたから、天下人になったのではありません。
変化に順応したから天下を納めたのです!
信長の死後、当時の筆頭家老は、柴田勝家でした。
ではなぜ、勝家ではなく秀吉が天下を取れたのか?
本能寺の変の訃報を知った秀吉は、当時、戦争をしていた毛利氏と和睦を結び、謀反を起こした明智光秀を討つため、京の都に大急ぎで引き返しました。
世に言う「中国大返し」です。
そして、山崎の合戦で、秀吉は光秀を討ちました。
一方、筆頭家老の柴田勝家は、動けませんでした。「え、今どういう状況? 俺の天下?なの?」などと、迫り来るアクシデントやチャンスに「間に合う」ことができなかったです。
その結果、「清洲会議(今後の織田家の方針)」では、光秀を討った秀吉の発言力が増し、秀吉に主導権を握られる結果になってしまったのです。
その後、秀吉は「信長の葬儀」を執り行い、自分が信長の後継者であることを天下にアピールして、天下人への道を歩み始めます。
変化に間に合わない人は、ありていに、「間が抜けている」のです。
つまり、「間抜け」です。
では、「間抜け」にならないために、どうしたらいいのでしょうか?
桜井さんは「小さな変化に気づく感性」と、そして、自分の身を常に「間の中」に入れておくことが大切であると書いています。
これは本日紹介した、「ピラミッド目標」とも通じるところがあるのではないでしょうか!