コーヒーに含まれる「カフェイン」。
集中力を上げたり、目をシャキッとさせる「カフェイン」。
そんなコーヒーの研究を紹介します。
集中力UP
●米国軍事研究施設の研究
「150mgから200mgのカフェインを飲むと、約30分で脳疲労がやわらいで、集中力の持続時間が向上」
つまり、缶コーヒー1本分を飲むだけで集中力が爆上がりするということです。
また、カフェインの集中力アップの効果は、「約5%前後」に及ぶと言う報告もあります。
この5%という数字は小さいようで、実際はかなり大きな数値です。
ドイツのイノブランデンブルク大学の研究で、39人のチェスプレーヤーを対象にした実験で、200mgのカフェイン摂取者はそうでない人たちに比べて、集中力が6-8%アップしたことがわかりました。
これは、チェスの世界ランクが数千位上がるのに匹敵することを意味します。
注意点1:一度に2杯以上は悪影響
ただ、缶コーヒー二本、400mgを一気に摂ってはいけない、という研究結果もあります。
●イギリスのスウォンジー大学の研究
「カフェインは300ミリグラムからその効果が薄れていく」
300mg以上を摂取すると副作用(動悸・頭痛・不安感・記憶力低下など)が発症することがわかっています。
注意点2:起床後、90分のカフェインはNG
人間の体は朝の6時ごろから、「コルチゾール」という「ストレスホルモン」を出すことで、脳を覚醒させることがわかっています。
そこで、起床後すぐに、カフェインを摂取することを続けていると、脳の覚醒に必要なコルチゾールの分泌がだんだん抑えられ、より多くのカフェインを飲まないと脳が目覚められない、という症状が出てきてしまいます。
ですので、起床後は、なるべくコーヒーを飲まないようにしましょう。
注意3:コーヒーは1日4杯がマックス!
カフェインの適切な摂取量は、多くても1日、3〜4杯程度、とされています。
また、午後3時以降に飲むと、夜の睡眠に悪影響を及ぼしてくるので、注意してください。
カフェオレが最強?
コーヒーと一緒に、乳製品を飲むと、より体に良い、という研究もあります。
イギリスで行われた研究で、脂肪分には、カフェインの吸収を穏やかにする効果があることが知られています。
コーヒーと一緒に、牛乳も飲むことで、時間をかけてじっくり脳を覚醒させていくことができるのです。
是非、試してみてください。
緑茶と一緒に飲むと神?
緑茶に含まれている「テアニン」というアミノ酸の一種は、リラックス作用が高いことで知られています。
50mgから200mg内で摂取すると、40分ほどでα波という脳波が出て、気持ちが落ち着きはじめるそうです。
そして、最近では、テアニンとカフェインの組み合わせが最強なのではないかという研究があります。
●ペラデニヤ大学の研究
「テアニン+カフェイン」を飲んだ人と「カフェイン」だけを飲んだ人を比べたところテアニンを飲んだ人の方が、集中力が4%上昇したことがわかりました。
原因としては、テアニンのリラックス成分が、カフェインの副作用成分を打ち消し、カフェインの覚醒作用のみが残ったから、だとか。
緑茶と一緒に飲めば、集中力が合計9%アップです。
ゲームみたいで面白いですね。
コーヒーが眠気覚ましの理由
そもそも、眠気や疲労を感じているとき、我々の体の中で一体、何が起こっているのでしょうか。
原因は、脳にありました。
脳内でアデノシンという物質が、アデノシン受容体にくっつき、これが脳の働きを遅くし、「休んでください」という信号を出していたのです。
そこで、コーヒーの登場です。
コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシンと似た分子構造をしています
ですので、脳に届けば、アデノシン受容体とくっつき、アデノシンの働きをブロックしてくれるのです。
これがカフェインによる覚醒作用のメカニズムです。
しかし、カフェインには、アデノシンを消す力があるわけではありません。
そのため、カフェインの効力がなくなり次第、結局アデノシンはアデノシン受容体にくっついてしまい、再び、我々に眠気さをもたらします。
これを防ぐには、アデノシンを脳内から消すしかありません。
そこで登場するのが「コーヒーナップ」という方法です。
「コーヒーと昼寝」で、悟りを開こう
コーヒーを飲んでから、20分間ほど昼寝をし、元気になる方法を「コーヒーナップ」と言います。
我々がコーヒーを飲むと、その中に含まれるカフェインは、小腸から吸収され、血液によって運ばれ、脳に到達します。
その所要時間は約20分なので、その時間を昼寝に充てるわけです。
そうすることで、覚醒時に最高のパフォーマンスをすることができるようになります。
このことは、研究でも実証されています。
被験者に「コーヒー」「デカフェ」「コーヒーナップ」のどれかを行なってもらい、その後、ドライブシミュレータープレイをし、運転ミスの回数を計測した実験では、「コーヒーナップ」をしたグループが、最もミスの回数が少なかったことがわかっています。
そのほかの研究でも、「コーヒー」「昼寝」「コーヒーナップ」でもっとも眠気を抑えられたのは、「コーヒーナップ」である、ということがわかっています。
また、上記と同じグループ分けをして、「記憶力テスト」を行った広島大学の研究でも、もっとも高い点数を叩き出したのは、やはり、「コーヒーナップ」でした。
ランチ後、コーヒーを飲んでちょっと昼寝をするだけで、午後の仕事が捗ること間違いなしです。
ただし、20分以上の昼寝は、「睡眠慣性」につながり、逆にウトウトしてしまうので、注意しましょう。
(※睡眠慣性……睡眠から覚醒状態に切り替えできない状態)
コーヒー好きに、幸あれ!
海外の人がよく、日本に来て思うのが、「喫茶店の数がパナい!」だそうですが、客観的な視点から見ても、日本人はコーヒーが好きな傾向が強いようです。
伊藤忠グループのリサーチ会社が調べた調査によると、コーヒーを「毎日」飲む人は7割強、「1日に2~3回」が4割弱、だそうです。
私の大学教授は、一日6ℓのコーヒーを飲んでいると言ってましたw
年齢を重ねるごとに美味しくなるコーヒー。
皆さんのコーヒー生活の一助になれば幸いです。