今回は、『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる一つの習慣』という本から、「最小の習慣」について取り上げます。
習慣の過小評価
私たちは、進歩の瞬間を過大評価し、日々の小さな習慣を過小評価します。
そして、大きな成功には大きな行動が必要だ、と考えるのです。
体重を減らすこと。 起業をすること。 本を執筆すること。
よく聞く、これらの行動に対し、私たちは「自分にはパワーが足りない」と考え、自身にプレッシャーをかけてしまいます。
進歩は、摂氏0度からはじまる!
みなさんは、氷が溶け始める温度をご存じでしょうか。
例えば、みなさんは今、すごく寒い部屋にいるとします。
マイナス5度くらいです。
その部屋の中で、氷を溶かすために、部屋をどんどん温めていきます。
マイナス4.5度。 マイナス4度。 マイナス3.5度……
すると、ちょうど摂氏0度になった時、表面から水滴が現れはじめます。
いくら温度をあげても変化がなかったのに、室温が0度になった途端、氷は溶けばじめるのです。
私たちが何か、成功を成し遂げたいと考えている時、大抵、その人がいる場所は、摂氏マイナス100度くらいです。
その環境下で、氷を溶かすためには、100度気温を上げる必要があります。
しかし、途中で室温を上げることをやめてしまっては、何も変わりません。
また、世間でいう「天才」は、この室温が限りなく、0度に近い、もしくは0度を超えている人をいうのです。
先ほどの、氷の例の場合、私たちは、普段、室温が18〜28度の部屋で生活しています。そのため、「氷が溶ける」という行為は、当たり前で、それが普通で、簡単なことだと考えます。
しかし、寒い地域に住む人は違います。
窓際に氷を置いていたら、いつまで経っても解けることはありません。
彼らは、氷を暖炉の近くまで、持っていき、暖めて続ける必要があるのです。
おわり
日々の小さな習慣や改善は、目立たず、誰にも気づかれません。
しかし、根気強く、長く継続することで、大きな効果を及ぼします。
小さな習慣が長いスパンでもたらす効果は、絶大なのです。
そう、それは、まるで投資したお金が複利で増えていくような感じです。
日々の小さな勝利もささやかな失敗も、積み重なることで、とても大きなものになる。
私たちは、このことを忘れてはいけないのです。
おまけ雑学:石工のようであれ!
今回は、何かを成し遂げるには、「忍耐」が必要だ、という内容でした。
このことは、NBAの優秀なチームのひとつ、サンアントニオ・スパーズのロッカールームが掲げている言葉にもあります。
「何をやっても無駄に思えるとき、わたしは石工がハンマーで岩を叩き割るのを見にいく。おそらく100回叩いても、岩にはヒビ一つ見られない。ところが101回目に叩いたとき、岩はふたつに割れる。岩を割ったのは最後の一打ちではない——それまでのすべての殴打である」
「小さなモノ」は、いつだって、過小評価されます。
肉眼で視認できない「がん細胞」は、その寿命の八〇パーセントを、気づかれずに潜伏し、そののち数カ月で人の身体を支配します。
竹は始めの五年間、地下に広く根をはりめぐらせます。そして、いきなり外へ突き出して、六週間で約二八メートルの高さとなります。
「かわいいでちゅね〜」と可愛がられた赤ちゃんも、20年後には皆、何者かになる。
石工のようであれ!
さぁ、今日もがんばりましょう!