今回は、『脳のアクセルとブレーキの説明書:脳科学と行動経済学が導く「上品」な成功戦略』という本から、少しショッキングな実験を紹介します。
人は、やはり外見が全てなのでしょうか?
「見た目」が与える影響
「見た目」が判断に与える影響を調べた実験では、男性の場合、イケメンの方が得をする、という結果があります。
一方、女性の場合、 非常にたくさんの事件があるため、その結果を一括りにして述べることができません。
ただ一般的には、二つの事象に分けることができます。
美人の場合、最も高い評価を受けるのは、男性を支援するような仕事をする場合です。
サポーティブな仕事は、例えば、秘書などのように、容姿が優れていれば、仕事のレベルが高いとみなされます。
しかし、能力を発揮しなくてはいけないポスト、例えば管理職やビジネスパーソンなどに就いていると、「容姿の良い女性は、決断力に欠ける」とみなされてしまいます。
つまり、外見が女性的である人が、堂々とした振る舞いをすると、違和感を与えてしまい、必ずしも仕事へプラスに働かないのです。
この子は見た目で得をしているから……
美人に対するショッキングな実験があります。
この実験は、文章に顔写真を付けて評価をさせる、というものです。
用意したのは、「見た目の良い男性(美男)」「見た目が普通の男性(普男)」「見た目の良い女性(美女)」「見た目が普通の女性(普女)」の写真です。
男の場合、「普男」より、「美男」の作文が、一番レベルが高いと評価されました。
一方、「美女」は、「普女」の文章よりも、点数が低く付けられてしまいました。
これは、評価をする側が「この子は見た目で得をしているはずだから、文章がうまいわけがない」と判断してしまったということです。
女性が女性を見た目で判断する場合
また、見た目による判断は、男性が女性にするものと、女性が女性にするものとでは、大幅に異なります。
例えば、「階段から子供を突き落とした犯人は誰か?」という物騒な仮想問題があります。
犯人は、子供で、「見た目の良い男子」「見た目の良くない男子」「見た目の良い女子」「見た目の良くない女子」の4人のうちの誰かです。
この場合、一番損をするのは、「見た目の良くない男子」でした。
そしてその次に損をするのが、「見た目の良い女子」でした。
さらに、この問題を出された人物が女性だった場合は、「見た目の良い女子」が一番損をすることがわかりました。
笑顔が一番!
以上の実験や問題などより、美人は一見、損をしているように見えます。ただその一方で、「美人はそうでない人よりも生涯年収が高い」などという人もいます。
以上を踏まえると、容姿の良い女性は、男性の助けがなければ、やや損をしやすい……かも、というが本書で述べられている結論です。
しかし、皆さん、見た目が悪いというだけで、「人生終わった」と諦めるには早いです。
最初に紹介した、文章における見た目の実験のなかで、容姿の魅力度が低くい人でも、「笑顔」であれば、容姿の魅力度が高かった人たちが活性化させたのと同じ被験者の脳機能領域を活性化させることがわかりました。
つまり、人生は「笑顔」が一番だということです。
子供みな、なぜあんなに可愛いのか。
それは、彼らが「笑顔」を絶やさないからです。
そうです。
笑顔こそが「人生」なのです。
さぁ今日も一日、笑顔でがんばりましょう!
おまけ雑学:赤は「勝負色」!
赤は「勝負色」といわれます。
勝負シャツなんて言ったりもします。
しかし、この赤は、自分に気合いを入れるためだけに着ているのではありません。
むしろ、相手に赤を見せて恐怖を感じさせる、という重要な効果があるのです。
サッカーや野球といったスポーツのユニフォーム、戦国時代の甲冑の色などにも、やはり赤が使われていました。
赤い色を見ると、どんな人でも、生理的に少し怯むのです。
確かに、私もその昔、剣道一筋の人生を送っていたときには、赤いタスキをつけた試合は少しだけ強くなれたような気がしました。
相手を怯ませたい時は、全身を真っ赤な洋服で固めていくのいいかもしれませんね。
ちなみに、勝色(かちいろ・かついろ)というものも存在します。
これは、紺(こん)よりもさらに濃い、黒色に見えるほどの暗い藍(あい)色です。
剣道の胴着の色で、勝色が多いのは、この言葉遊びから来たのかもしれませんね。