本書はコンサルタントして有名な星渉さんが書かれた一冊です。
著者がコンサルしたクライアントが、0の状態から起業して6ヶ月以内に月商7桁を到達する確率は90%だそうです。
そして、その秘密は「心」にあった、と本書で述べられています。
今回はそんな「心」「メンタル」について書いていこうと思います。
三つの掛け算
物事の実現は「3つの要素の掛け算」で成り立っていると本書では書かれています。
現実(未来)=目的地✖️手段✖️メンタル
これが、「今の自分を捨てた瞬間から、全てが思い通りになる方程式」で、我々の現状も、未来も、全てこの公式で説明することができます。
「損失回避の法則」と「保有効果」
「心」は我々が考えている以上に複雑だ、と筆者は述べています。
その一例が「損失回避の法則」と「保有効果」です。
「損失回避の法則」とは、「”損した時の痛み”は”利益”(よい出来事が起きた時の喜び)の2倍強く感じてしまう」という法則です。
「保有効果」とは、「自分が持っているものを実際の価値より高く見積もってしまう」という心理現象です。
大抵の場合、我々はすでに手にしているものを、実際よりも約2倍は高い価値で見積もると言われています。
つまり、自分が持っている1万円は2万円の価値があると感じているのです。
また例えば、コインを投げて
①表が出たら一万円払う
②裏が出たら一万円もらう
と言うゲームが存在したとき、我々は参加するでしょうか。
答えは「ノー」です。
「リターンが2万円以上」でない限り、自分の「一万円を失うリスク」の方を強く感じてしまうのです。
「変わらない日常」
我々が毎日行なっている様々な「選択」や「行動」も、心理現象がはたらいている場合がほとんどです。
その心理現象とは「今のままでいようとすること」です。
「損失回避の法則」や「保有効果」が働き、「今の状況でも別にそこまで悪くないのに、わざわざ変える必要があるのか?」と言った具合に、無意識のうちに行動するこが面倒に感じてしまう。
そして「損失回避の法則」や「保有効果」が発動すると、次に待っているのが「サンクコスト」である。
「せっかくここまでやったのに、もったいない」と、過去にかけた時間や、労力、お金に囚われてしまい、ベストな判断ができなくなってしまいます。
これが「サンクコスト」です。
さらに、その次は「確証バイアス」が起こります。
過去にとらわれ、合理的な判断ができなくなると、最終的に我々は「今の自分が正しい」「変わらないままの自分が正しい」という情報を集め始めます。
そしてこのような場合、女が男の浮気を見つけようとしたら必ず見つかるように、「確証バイアス」、「偏見」によって凝り固まった頭で、自分を肯定するための情報も、必ず見つかります。
このような事象の積み重ねによって、我々は成長することに歯止めがかかってしまっているのです。
まとめ
我々が、上記のような現状を克服するには、心を鍛えるしかない、と筆者は言います。
心を鍛えることで、「選択と行動」を変える。
そしてそれは意外と簡単だったりする。
今の自分を変えようと思ったら、これまでとは違う行動や選択をすればいいのです。
そのためのマインドセットのやり方が本書では詳しく書かれています。
『嫌われる勇気』という本でも書かれていた通り、「今の自分」はこれまで自分がしてきた選択と行動の「結果」なのです。
「人生の9割はメンタルで決まる」と筆者は書かれています。
満月の夜に月に向かって祈りを捧げている場合ではありません。
「今の自分から変わること」
まずこの「選択と行動」をすることから始めましょう。
最後に本書で特に心に響いた言葉を1つ。
「あなたに見えているものは、全てあなたの自己評価に基づいている」
Danke Shane!