『SINGLE TASK 一点集中術』——いつだって、選択肢は二つ。一つのことをうまくやるか。二つのことを下手にやるか。

書物
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本日は『SINGLE TASK 一点集中術』という本を紹介します。

この本は、いかに「シングルタスカーが素晴らしいか」について書かれた本です。

「課題が進まない」
「集中力がない」
「仕事が遅い」
などの悩みをお持ちの方に大変有効な本です。

我々はマルチタスクをしているフリをしている

本書は、「マルチタスクは不可能である」と述べています。

我々は、マルチタスクをしているフリをしているというのです。

脳は、一度に一つのことしか集中できません。

「俺はマルチタスカーだ」と明言している人は、
タスクのスイッチングをしているだけに過ぎません。

ただ、例外もあります。

脳は2つのタスクを同時に処理することはできません。

ですが、その2つのタスクが
脳の違う部分を使う場合は例外だそうです。

意識的に努力を必要としない活動は
メイン作業と同時に行うことができるのです。

つまり、
音楽を聴きながら
仕事をするといったことは可能ですが、
テレビを見ながら
仕事すると言ったことは不可能だ、ということです。

人間の性(さが)

「大人よりも子供の方がマルチタスクを得意とする」
と考えられている方もいるかもしれません。

ですが、「その周知の事実は間違っている」と
Google元CEO 、ダグラス・メリは言います。

バーモント大学で行われた研究で、
学生のノートパソコンを調べたそうです。

その結果
履修科目と無関係のソフトウェアアプリが
課題に取り組んでる42%の間
起動していたそうです。

これはもはや疫病レベルです。

「注意を分散させてると、情報を記号化しにくくなる」
とハーバード大学は述べています。

人はすでに目の前にある課題より、
目新しい課題に目を向けたくなる生き物なのです。

また、分析心理学の創始者カール・ユングが
アフリカを訪れた時にこう言っています。

「テクノロジーという「悪魔」の存在に気がついた」

テクノロジーを使うと、
外部からの刺激を自分でコントロールするしかない。 

しかし、ほとんどの人は自分を制御できない。
なぜなら、外部からの刺激に身を任せる方が楽だから。

我々は
自分のデバイスをコントロールする前に
自分の意思をコントロールしなくてはならないのです。

孤独を愛せ!

マルチタスクによる弊害は、自分自身に限った話ではありません。

人気コメディアン、ルイ・C・Kは言いました。

「人間は一秒たりとも孤独になりたくないからと、命を落としたり人生を破滅させたり、するほどの危険を冒している。それほど、孤独と向き合うのはつらいものだ」

何かをしている相手に話しかける人がなんと多いことか。
何かをしながら電話を取る人がなんと多いことか。
誰かとランチをしてるのにメールの返信をするのに忙しい人がなんと多いことか。

マルチタスクをすることによって
我々は多くの損をしているのです。

まとめ

ここで少し余談になりますが
今年のオリンピックのお話です。

今回のオリンピックは、コロナの影響で、ほとんどの方がテレビで視聴したことだと思います。

統計によれば、
86%の人たちがオリンピックを見ていたそうです。

これはつまり、
テレワークで、家で仕事をしている人は
テレビを見ながら、仕事をしていたのではないかということになります。

実に悲しいことです。

また
「ニューヨーカー」誌の風刺漫画でこんな物語もありました。

一人の男がパソコンの画面を眺めている。
ポップアップ漫画には
「インターネットはあなたの能力を低下させることを望んでいます。あなたは同意しますか?」と書かれている。

クリックするオプションは一つしかない
——「つねに許可する」

多くの現代人はデバイスの利用を上手く自制できていません。

「状況をコントロールする責任は常に自分にある」
ということを忘れてしまっているのです。

忙(せわ)しなく、気まぐれでムラがあり、混乱していて、自制が効かない精神状態を、
心理学では「モンキーマインド」というそうです。

テクノロジーの進歩と反比例で
人はサルへと戻ろうとしているのかもしれません。

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