皆さんは何かルーティンをお持ちですか?
「靴下を履くときは右足から」
「歩くときは左足から」
「試合前は軽く6回ジャンプする」
などなど、
皆さんにも、さまざまなルーティンがある思います。
今回は
そんなルーティンを調べた
アメリカの心理学者、B・F・スキナーの研究を紹介します。
人間の行動を知りたければ鳩を見よ!
テニス選手は変わった連中です。
お気づきでしょうか?
彼えらは必ず、ボールを二個ではなく
三個要求します。
また、ポイントを取るたびに
タオルを使っているのは
汗を拭くためでなく
心の中から魔物を取り去るためです。
そして、サーブの前にはボールを決められた回数弾ませます。
まるでその儀式を少しでもやり損なうと世界が崩壊し、頭上に落ちてくるかのような強迫観念に追われているのです。
そう。
ウィンブルトンは、テニスの試合というより、大規模な強迫神経症大会のように見えます。
さて話を戻します。
テニスに限らず、アスリートはもちろん、会社員や専業主婦、小学生でさえも、ルーティンを持って行動している人はたくさんいます。
ではなぜ、我々はルーティンをするのか。
B・F・スキナーはこう言っています。
「人間の迷信の基礎を理解したければ、鳩の行動をみるところから始めるのが一番だ」
彼が行った実験は以下の通りです。
鳩をある鳥籠に入れます。
その鳥籠は、鳩の行動とは関係なく、
一定の間隔で自動的に餌が与えられるようになっています。
その鳥籠に入れらた、空腹の鳩はどのような行動をするのか。
結果は、皆さんの想像の通りです。
鳩は餌が与えられることと、その時、最初にとった行動を結びつけることがわかりました。
鳩は、餌をもらうために、その行動を何度も繰り返しました。
行動と給餌は無関係にも関わらず、何度も何度も。
ルーティンは天才もやる
先程の鶏の実験から、
「私は、トリ頭ではなない」
と思われた方も、多数おられると思います。
しかし、そうではありません。
馬鹿かどうかは関係ないのです。
たとえば
アメリカ人の半数以上が迷信深いことを認めています。
それも、馬鹿な連中や騙されやすい人たちに限った話ではありません。
ハーバード大学では、学生たちがしばしば幸運を祈って、ジョン・ハーバード象の足を撫でているそうです。
日本の学生が、早稲田のオープンキャンパスで大隈重信と握手するのと同じです。
まとめ
ルーティンや儀式は
リラックス効果や
思考をはっきりさせ、不安を軽減させてくれるなど
さまざまな効果があります。
ボウリング選手は
手からボールが離れ、レーンを転がって行く間も、まだそれをコントロールしているかのように肩と腕をひねり回すそうです。
こういった行動は当然ながらレーンを半ば転がっていったボールには、全く影響しません。
鳩が取る行動と同じです。
日本では「縁起がいい」なんて言ったりしますが、
生物にとってルーティンは、一種の宗教なのかもしれません。
おまけ
ルティーンに関する話で、こんなエピソードがあります。
「アーセナル」サッカーチームのディフェンダーをつとめていた、コロ・トゥーレのお話です。
彼は、「ハーフタイムのあとは更衣室を最後に出る」という断固としたルーティンを持っていました。
とある試合での出来事です。
チームメイトの一人(ウィリアム・ギャラス)が負傷し、ハーフタイムに治療を受ける羽目になりました。
この時、彼のルーティンが大きな問題となりました。
トゥーレは、自分のルーティンを断固として守り、
ギャラスの治療が終わるまで更衣室に残り、
アーセナルは9人だけで後半戦に突入することになったのです。