【チーム】『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』—— 強い組織に、強いリーダーは必要ない!

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「自分の弱さの開示」こそが、個人でも、組織でも重要です。

そのような「シグナル」の積み重ねが、普通の人たちの組織を強くします。

安全な環境

そもそも、組織において重要なのは、心理的安全性がもたらされた環境です。

心理的な安全、「自分はここにいていいんだ!」という安心感が、組織として、個人が活躍するためにとても重要です。

そのために重要な3つのシグナルがあります。

まずは、「エネルギー」。

「エネルギー(活気)」は、アイコンタクト・双方向の会話・雑談・物理的距離が近い、などと言った、メンバー間の交流によって生み出されます。

続いて、「個別化」。

「個別化」は、それぞれの存在意義、独自性を認め、化学反応を期待することです。

そして最後に、「未来志向」です。

先の未来を一緒に考え、みんなで同じ目標を共有する。これが「未来志向」です。

この3つの「帰属シグナル」によって、安全な環境はもたらされるのです。

弱さの共有

リーダーにおいて必要なのは、「強さ」ではなく、「弱さ」です。

なぜなら、信頼関係は、「弱さ」によってもたらされるからです。

人は、「弱さ」を見せられた、助けたり、協力したりします。この「弱さ」と「協力」の繰り返しによって、信頼関係が生まれ、結果「強い」組織が生まれます。

ですが、「弱さ」を見せるという行為は、意外と難しいです。

人は、対面や自分のキャラを気にしたり、相手に迷惑かもなど、色々なことを考え、最終的に1人で頑張ろうとしてしまうことが多々あります。

しかし、「弱さ」を見せる、という行為は、筋トレと同じで、何度も時間をかけ、少しづつ繰り返し、痛みを伴うことで、効果を発揮します。

ですので、ぜひ「勇気」を持って「弱さ」を出してください。

そして、協力する側の人は、安易に意見や提案をせず、最後まで話を聞き、相手が自分の「弱さ」と向き合う時間も奪わないようにすることも重要です。

「強い共通目的」の作り方

また組織において、「高い目的意識の共有」は非常に重要です。

では、どうすれば、目的意識の高い環境を作れるのでしょうか?

それはズバリ、以下の3つのポイントです。

(ここでは、最近わたしが読んで、とても大きな感銘を受けた『下町ロケット』(著者:池井戸潤)という作品で登場する「佃製作所」を強い組織の例として取り上げます)

まず、「価値の優先順位」を立てます。

佃製作所では、「金」や「地位」「名誉」ではなく、「夢」「プライド」「仲間」が、「価値の優先順位」として考えられています。

次に、「簡単な標語」です。

「佃品質 佃プライド」。この言葉が、特許訴訟や会社内のトラブルなどで、バラバラになっていた会社の意識を一つにします。

それほど会社の掲げる標語というものは、とても大きなパワーがあるのです。

最後に、「日常的な刷り込み」です。

先ほどの「佃品質 佃プライド」がまさに、「日常的な刷り込み」です。

ほんの些細な作業でも、「それが本当に俺らの品質なのか?」「そんなのが、俺たちのプライドなのか?」と日々、問い続けるわけです。

「価値の優先順位」「簡単な標語」「日常の刷り込み」。この3つの要素を何度も繰り返し、掛け合わせることで、「目的意識の高い環境」を作り出すことができるのです。

おわり

私たちは、本能的に弱さを隠さなければならないと考えています。

しかし、現代の科学はその逆のことを言っています。

協力関係を築き、組織が一丸となって取り組むには、「弱さ」はリスクでなく、むしろ不可欠な要素なのです。

「わからないことをわからない」という勇気、「できないことを助けてと言える」素直さ。

そんな「強さ」こそが、リーダーにとって一番重要なのです!

THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法
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ボーナストリビア:「ティファニーの成長譚」

世界的に有名な宝飾品および銀製品のブランドを扱う、ティファニー。

ティファニーの成長の秘話。みなさんはご存じでしょうか?

ティファニーはビジネス拡大のために、「戦争」を利用したのです。

普通に考えたら、ブランドビジネスは戦争に「弱い」です。

戦争中に贅沢品を買う人はいないし、店舗は暴徒に襲われるはずです。

しかし、ティファニーは、フランス革命のとき、貴族から貴金属を買い取り、アメリカで売って儲けたりしていました。

また、南北戦争のときは、剣や銃を輸入して国に納めることで、店を軍に守ってもらっていたのです。さらに、戦時中は、けが人が増えるから手術道具なんかも提供したりしていました。

ブランドという「強さ」とは裏腹に、ちゃっかりした会社なのです。

ティファニーは戦争が起きたからといって、ただ悲嘆に暮れるだけじゃありませんでした。

自分にとって不利で、弱い状況でも、その時代に合わせた対策を打ったのです。

今の状況を悲観しているだけでは何も変わらない。

その良い状況で、その環境の変化で、いかに対応するか。

それが勝ち残る「強い組織」なのです。

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