20世紀を代表する、オランダの心理学者に「ジークムント・フロイト」という人物がいる。
彼は、人間の内面、特に、「心」という分野に力を入れた人物だ。
精神疾患を、
身体的な機能障害や、自然な発達過程によるものではなく、
心的外傷、精神的トラウマが原因であると突き止めたのも彼である。
人間は誰しも、内側に、抑圧された記憶からなる無意識を持っており、この無意識に強い精神的衝動と性的衝動が蓄えられている。
このような衝動が争い合い、最終的に人間の行動を支配している、とフロイトは考えたのだ。
特に、1900年に彼が書いた『夢判断』は非常に面白い。
夢は、無意識によって作られたもので、複雑な象徴性に満ちており、これを分析することで人間の欲望の手がかりが得られることを理論化したのだ。
また、他にも彼は、人間の心を三つの領域に分けた。
●エス(イド)……もっとも原始的な衝動が蓄えられている
●自我(エゴ)……現実と相互作用する意識的な自己
●超自我(スーパーエゴ)……社会的規範によって課された制約を認識して順守する
この三つの領域が大概に牽制しあって、我々の心は成り立っていると、言うのだ。
フロイトは、心の中でも特に、「無意識の力」を高く評価した。
ジョークや言い間違い、夢も、全て意味がある、もしくは、人間の心の内面を示すものだと考えるようになったのだ。
「心」「夢」「精神」「無意識」
このような目の見えないものにこそ、我々の本質が含まれているのかもしれません。
本日の名言
「一般的に人間は犬に似ている。他の犬が遠くで吠えるのを聞いて自分も吠える」
——ヴォルテール(フランスの哲学者)
(参考文献)