心というのは、非常に軟弱です。
心は、相手が何気なく口から吐いた言葉や、LINEの友達からの一言から、とても深い傷を負ってしまいます。
そんな時に、心の支えになってくれるのが名言です。
言葉という刃物は、心を傷つけることもありますが、一方で、心を支えにもなってくれます。
歴史上の偉人たちも、多くの人々が言葉に支えられてきました。
タフな精神力を持つイメージの西郷隆盛が、逆境にあったとき、何をしていたか。
実は名言を書き写していたのです。
西郷は人生で2度、島流しされています。
特に2度目は過酷な環境でした。
財産を没収され、島の牢獄で最低限の食べ物しか口にできず、やせ細っていたといいます。
普通なら心が折れてしまうような状況です。
そこで西郷は『言志四録』という、儒学者・佐藤一斎が著した書物を熟読し、「これは」と思った言葉を書き写していたのです。
例えば、西郷が座右の銘にしていた「智仁勇(ちじんゆう)」もその一つです。
これは、儒学の三つの徳のことで、「智恵・思いやり・決断力」を指します。
西郷は、これを理想に掲げ、人生のターニングポイントでの行動基準にしていたのです。
何を信じ、何を支えとするかは、人それぞれだと思います。
ですが、それがたとえ何だとしても、自分にとって「不動の支え」を持っている人は非常に「強い人」と言えるでしょう。
自分の心の中にある、「神様」のような存在。
いつだって「神様」が見てくださっている。
だから頑張れる。
そう思える存在がいるとき、
人はたとえ、その行動が失敗に終わったとしても後悔しないものです。
みなさんにとっての「神様」は何ですか?
本日の名言
「牛になれ」
——夏目漱石が芥川龍之介の宛てた手紙の中で
※「我々はとにかく馬になりたがるが、牛になって粘り強く、うんうんと押していきなさい」
※夏目漱石は多くの手紙を書いて言葉の贈り物をしていたそうです。上記の言葉が書かれた手紙には、他にこんな言葉も贈られていました。
「根気づくでお出でなさい。世の中は根気の前に頭を下げることを知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えて呉れません」
「一瞬の火花のようなものに人は驚くかもしれないがそれだけです。根気よくやっていけばあなたは尊敬される人になります」
(参考文献)