「マーケティング4・0」という考え方があります。
「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラー氏によって唱えられた考え方です。
簡単にまとめると以下のようになります。
▶︎マーケティング1.0=商品の販売・普及
▶︎マーケティング2.0=顧客満足
▶︎マーケティング3.0=価値ある体験
▶︎マーケティング4.0=顧客の自己実現
「マーケティングは、この4つの段階を経て、拡大していく」
という考え方です。
まず初期段階の「マーケティング1・0」では、商品の機能性に重点がおかれます。
その昔 、冷蔵庫は、氷屋さんから大きな氷の塊を買って冷やす、というのが普通でした。
しかし氷が解けたら保冷の効果はなく、また氷を買いにいかなくてはならない。
「もし 24 時間365日食べ物を冷やしてくれたら……」
そんな願いによって誕生したのが現代の冷蔵庫です。
また冷蔵庫だけでなく、洗濯機や、テレビなども同様、顧客を幸せにする目的で、販売され、購入されるようになりました。
「その商品があれば、生活が豊かになる」
これが「マーケティング1.0」です。
しかし、これらの商品が隅々まで行き渡ると、だんだん売れなくなってきます。
そこで次の段階では、「顧客を絞ること」にしました。
全人類に向けたモノではなく、それを必要としている人にだけ焦点を当てたマーケティングです。
「お酒好きな人」「花粉症に悩む人」「タバコをやめられない人」
このように、細かく顧客をターゲティングすることで、販売を促進する段階。
これが「マーケティング2・0」です。
そして、世の中がどんどん豊かになると、顧客はただ買うだけでは満足しなくなります。
「誰もが生きやすい世の中に!」「差別はダメだ!」「私たちはより良い社会のために活動してます!」など、会社の掲げる「目標」や「使命」などに目がいくようになります。
「機能性」だけでなく、「感情」や「所属感」が重要視されるようになるのです。
これが「マーケティング3.0」です。
そして、この段階を経て、消費者は、自分自身が価値創造に参加したい、と思うようになります。
「自分が自分らしくなるために」
消費という活動を通して、企業の活動に参加し、一緒に社会をよくしていく。
これが「マーケティング4.0」です。
以上のように、
我々は時代を経るごとに、「価値」というものがどんどん変化してきました。
そして、この先も変化し続けるでしょう。
「マーケティング5.0」はどうなるのでしょうか。
少し楽しみです。
(参考文献)