小学生が「いま何時何分何秒、地球が何回、回った?」というように、我々が生活しているこの惑星がひたすら回っていることは、みなさん、ご存知だと思います。
そして、小学四年生にもなれば、「自転」と「公転」という言葉を習い、プトレマイオスとアリストテレスを超えた知識を持ちます。
しかし、実はこの先があるのです。
というのも、回っているのは、地球だけではないのです。
太陽と惑星、つまり、太陽系自体が、猛烈なスピードで天の川の中を移動しているのです。
太陽系は、秒速約200キロという速さで、銀河の中心に対し、ぐるぐると回っているそうです。
だから銀河は渦を巻いているのだとか。
これはつまるところ、我々は宇宙規模で考えれば、一瞬、刹那たりとも、同じ場所に留まっていない、ということです。
何をしたらいいかわからず、机の上で頭を抱えている状態でも、我々は、秒速200キロの世界を生きているのです。
なんだかカッコいいですね。
ではなぜ、我々は、このことを知らないのでしょうか。
それは、「慣性の法則」が原因です。
これは、外部からの力が作用しないとき、物体は、運動の現状をそのまま維持しようとする法則です。
「急停車します、ご注意ください」というアナウンスで、乗客が進行方向の方に倒れそうになる、アレです。
我々は生まれた時から、いや、生まれる前から、秒速200キロの世界にいます。
秒速200キロの世界で生きること、それ自体が普通であり、自然なのです。
だから、我々はこのことに気が付きません。
また、より簡単な言葉で説明するなら、人間は宇宙からみれば、アリんこ同然の存在だからです。
例えば、水槽に土とアリを入れたとします。
1ヶ月後には、水槽の中のアリたちは、巣を作り、快適な生活を送っているいるはずです。
そこで、その水槽を時速約200キロの「のぞみ」(新幹線)に乗せたとしても、アリたちは、そのことに気がつきません。
いつも通りの生活を送っているはずです。
そして、地球という水槽の中で生活している人間も、これと似た現象が起きているのです。
さて、みなさん。我々は、秒速200キロの世界に生きています。
それでも、みなさんは、周りの人たちの回るスピードが、気になりますか?