『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』という本の中で、著者のピーター・ディアマンディス氏が、「あらゆるものは6Dになる」と述べています。
「6D」とは、以下の6つのDのことです。
①Digitized(デジタル化)
②Deceptive(潜在的)
③Disruptive(破壊的)
④Demonetized(非収益化)
⑤Dematerialized(非物質化)
⑥Democratized(民主化)
全ての事柄は、この6つの「D」の過程を経る、というのです。
例えば、最初の「D」である「Digitized」。
これは「デジタル化」のことです。
腕時計はスマートウォッチに、本はKindleに、 TSUTAYAはNetflixに。
アナログだったものが、デジタルになる。
これがデジタル化です。
そして、このようなデジタル化はすぐには浸透しない。
多くの批判や、偏見の目を向けられながら、徐々に普及してい来ます。これが、2番目の「D」である「Deceptive」です。
「Deceptive(潜在的)」の具体例としては、電子通貨が挙げられます。
切符がSuicaへ。会計がPayPayへ。投資が仮想通貨へ。
これらのモノたちは、すぐに世間に溶け込む訳ではない。
徐々に徐々に浸透していき、潜在化で当たり前になった時、大きな変化をもたらします。
この変化が、3番目の「D」、「Disruptive」です。
この三つの「D」を経たものは、その後、④Demonetized(非収益化) 、⑤Dematerialized(非物質化) 、⑥Democratized(民主化)のどれかになります。
LED電球によって、室内でも植物を育てることができるようになった。だが、電気代がかかりすぎるという問題があり、普及しなかった。
しかし、現在は、太陽光発電がある。
2050年には、電気代が10分の1になるという意見もあります。
そうなれば、野菜の価格は信じられないほど安くなり、成果物によって収益を得られなくなります。
これが、「Demonetized(非収益化) 」です。
一方で、成果物によって利益を得られなくなることを「Dematerialized(非物質化)」と言います。
例えば、我々が食べているお肉。
肉は、20種類のアミノ酸の組み合わせにすぎません。
ということは、もし家に3Dプリンターがあれば、お肉を印刷することが可能になるのです。
蛇口をひねればお水が無料で飲めるように、ボタンを「ポチッ」と押すだけで、お肉が食べれるようになるのです。
現に、イスラエルでは、鶏の細胞を培養器で育てて作った肉を食べられるレストランがあります。
またもっと身近な例でも、
iPhoneの登場によって、「写ルンです」や、新聞、ラジオのハードなどが必要なくなりました。
これらの、非物質化が、「Dematerialized」です。
そして、最後の「D」が「Democratized(民主化)」です。
ソフトウェア化によって、場所や人種にかかわらず、多くのメンバーが集まるようになる。
ただその事柄を完遂することで得られる「達成感」や「快楽」は軽視されるようになり、
「良好な人間関係」「意義」「没入感」などが重要になっていく。
テクノロジーの発展ともに、あらゆる物事が指数関数的に拡大していく。
これが「Democratized」です。
(参考文献)