マルコム・グラッドウェルさんが書かれた『第 1感「最初の 2秒」の「なんとなく」が正しい』では、以下のように述べられています。
「とっさの判断と第一印象だけでも、人は状況を的確に理解できるのだ。瞬時に下した判断も、慎重に時間をかけて下した結論と比べて、けっして見劣りしない」
決断は直感に任せる!
みなさんも「直感」というものを、これまで幾度か経験したことがあると思います。
「あの子、俺のこと、見てるぜ!」というものから、「ああ、そろそろ俺、死ぬな」というものまで、直感というものは多種多様です。
そして直感は、何か迷っている時などにも、ふと、現れます。
さらにその直感に頼った決断は、大抵、正しい。
実際、自分に向いた仕事、やりたい仕事をしている人は、そうでない人に比べ、職業選択の際、20%以上も直感に頼っていたというデータがあります。
また、ニュージーランドにあるオタゴ大学の研究でも、特殊な知識や分析的な能力を要するもの以外の場合は、直感に頼る方が、成果に達しやすいことがわかっています。
この研究では、被験者にバスケの試合結果を予想してもらいました。
一方は、自分が選んだチームの勝因などを論理的に考え、選んでもらいます。
もう一方は、ユニーフォームの色や、チーム名や、その時の気分といった要因から選んでもらいます。
すると、前者のグループの的中率は65%以下であったのに対し、後者のグループは70%を超える的中率になりました。
直感はみんな持ってる
直感は皆が持っているスキルです。
これは心理学の実験でも明らかになっています。
この実験では、1.5秒ずつ、2枚の写真を順に見せていきます。
例えば、最初に金色の腕時計をした男性の写真を見せ、 1.5秒後に 真っ白な画面に切り替わり、直後に今度は腕時計を外した男性の写真が表示され、 1.5秒で消えます。
次に「写真のどこかが変わりました?」という質問を出します。
多くの人はどこが変わったかには、気が付きません。
ただし、どこが変わったか気づかなかった人も、何かが変わったことには気がつきました。
同様の実験を、写真から絵に変えたり、小物に変えたりしても同じ結果が出ました。
何かが変わったことには気づき、でも、どこが変わったかは具体的に指摘できない。
これが「直感」です。
直感的に変化を察するものの、具体的な違いは指摘できない。
その理由は、人の脳が直感を使うときに働かせる部位と、じっと考える時に働かせる部位が、まったく違うからです。
ヴァンダービルド大学の研究チームは、論理的に考え熟考するときと、直感によって判断するときでは、脳で行われる情報処理のプロセスがまったく違うことを突き止めました。
つまり、よく「なんで私のこと好きの? 理由を言って」という彼女の質問に対し、あたふたしてしまう男子諸君の助け舟は以下のようになるわけです。
「直感さ!」
直感を制したものが人生を制する!
今日着る服から、進学する大学や就職、結婚といったように、人生は選択の連続です。
論理的に考え、データを集め、根拠を定めることも重要です。
しかし、同様に、直感に頼って瞬時に下した決断も、論理的な決断に負けません。
いやむしろ、決断までの「速さ」という面で見れば、直感に頼ることの方がベターとも言えます。
あれこれ考えず、「これだ!」と思ったものをどんどんトライしていく。
このような選択が人生に彩りを与えてくれるのかもしれません。
(参考文献)
おまけ:第二の脳 「腸」
「虫の知らせ」などのように、腸は直感を知らせる機能があります。
腸には脳のような働きがあり、消化・気分・健康さらには思考にまで影響を及します。
そんなことからも腸は「第二の脳」なんて呼ばれ方もされています!