本日は、ソドムとゴモラについてです。
『天空の城ラピュタ』で、ラピュタから放たれた光線を見てムスカ大佐が言った「(あれが)旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ」のムスカとゴモラです。
叔父さんと甥
アブラハムと甥のロトはそれぞれ、たくさんの財産と召使、家畜を持っていました。
そして、なんでも持ってる両者の間では、争いが絶えませんでした。
彼らは、近くにいるから争いが起きるのだと考え、それぞれ別の土地で暮らすことにしました。
そうして、ロトがたどり着いたのが、「ソドム」と「ゴモラ」と呼ばれる土地です。
ソドムとゴモラ
ロトが定住するようになったソドムとゴモラは、悪に満ちた、堕落した町でした。
そして、そんな町ですから、神に滅ぼされようとしていました。そこで、ある日、町を裁くために、天使が使わされました。
ロトはそのことにいち早く気付き、天使たちをもてなします。
最初、順調いってるかに見えた矢先、町の男たちが、ロトの家を訪ねてきました。
そして、扉を開けるや、男たち(同性愛者)は目の前にいた天使たちを犯そうとします。
この町は、性的にも乱れた町だったのです。
しかし、男たちは2人の大使によって意図も容易く敗れ、逃げてしまいます。
余談になりますが、このエピソードが元になり、英語では”常軌を逸した性的な罪の事”を「sodomy (ソドミー)」と呼ぶようになりました。
謎の「塩の柱」
ロトたち一家は、大使の命により、町から逃げることになりました。
「山に向かって逃げなさい。ただし、絶対に振り返ってはいけません」との助言を受け、ロトたちはただひたすら逃げました。
しかし、ロトの妻だけは、振り返ってしまいます。滅ぼされていく町を惜しんだのです。
すると、彼女は、塩の柱になってしまいました。
なぜ塩の住なのかは、詳しいことはわかりません。神のみぞ知る、というわけです。
それでも、逃げ続けるロトたちの背後では、天から火が降り、町が焼き尽くされていました。
まさに、『天空の城ラピュタ』に登場するあのシーンです。
おわり
ソドムとゴモラは、死海南岸に存在したとされています。
街で暮らす住人たちの怠惰な生活を送り、乱れた性が蔓延る。
そんな有様が、神の逆鱗に触れ、滅亡させられてしまったのです。
ボーナストリビア:両国橋
話は変わって、日本の江戸時代。
「明暦の大火」という大事件がありました。
江戸の大半を焼き尽くす大火事で、被害者は10万人にも上りました。
こんなにも被害者が出た理由は、逃げる人々が隅田川を渡れなかったことにあります。
このことから、そこにはある橋が建てられるようになりました。
その橋の名前は、「大橋」といいます。
この橋が、のちに武蔵と下総、両国を結び、そして、あの世とこの世を分ける、大きな橋「両国橋」となったのでした。
ソドムとゴモラに立った「塩の柱」も、死に征く人に対する、後世への何かしらのメッセージが、あったのかもしれません。
(参考)