ポジティブ心理学には、「幸福の公式」があります。
これは、ポジティブ心理学の第一人者である3人の教授 ———— ソニア・リュボミアスキー、エド・ダイナー、マーチン・セリグマン─が研究開発したものです。
幸福は3つからなる!
幸福の公式とは、「 H = S + C + V」です。
「H」:Happiness(幸福)
「S」:Set point(規定値)
「C」:Condition of living(生活状態)
「V」:Voluntary Activities(自発的行動)
「幸福( Happiness) =規定値( Set point) +生活状態( Condition of living) +自発的活動( Voluntary Activities)」
つまり、幸福というのは、「規定値」と「生活状態」と「自発的活動」の3つの要素に左右される、というのがこの公式の考え方です。
規定値
「規定値」とは、「ものの考え方や捉え方」のことです。
同じ状況に遭遇しても、ピンチだと感じる人もいれば、チャンスだと解釈する人もいます。
私たちは、事実よりもそれをどう解釈するかで幸福度が変わるのです。
生活状態
「生活状態」とは、日々の出来事や人生における出来事(幸運や不運)のことです。
これは、幸福に対して一時的な影響しか与えません。
宝くじに当たっても、会社が倒産しても、そのときに感じた幸福感や不幸感というものは、時間とともに弱くなっていきます。
ですので、「生活状態」よりも「規定値」の方が、幸福においては重要であるということができます。
どんな出来事があろうと、規定値でポジティブに捉える人は、不遇の中にもプラスな側面を見るし、ネガティブに捉える人は幸運の中でも恐れや不安に意識が集中してしまうのです。
その状況次第でたしかに感情は一時的に上がったり下がったりしますが、幸福度に長くは影響しません。
自発的活動
「自発的活動」とは、自分で選択し行動を取れているか、を意味します。
周囲に振り回されたり、気分に流されたり、規律が守れないといった、自己コントロール感を失った状態は幸福感を下げる、というのが、この考え方です。
生活・人生・仕事・家庭において、「 ~させられている」ではなく、「 ~している」という主体性・能動性・積極性を取り戻すことが豊かさの基本です。
幸福=習慣
幸福感の要素は、「規定値:40%」「生活状態:10%」「自発的活動:50%」となります。
そして、「規定値 」は「思考習慣」、「自発的活動」は「行動習慣」と言い換えることもできます。
ですので、幸福感の 90%は「習慣」によるものであるといえます。
思考と行動の習慣をプラスの方へ傾けることで、人はいかなる環境でも幸福になれるのかもしれません。
みなさんは今、幸福ですか?
(参考文献)