【北欧神話】最強の神と謳われた男 —— 雷神「トール」と最強の武器「ミョルニル」

知識
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本日は、北欧神話シリーズ第五弾「アース神族の最強戦士 – トール」についてです。

雷神”トール”

北欧神話最強で、雷の神「トール」。主に、神々の敵である巨人と戦う神として活躍します。

雷神といえば、ギリシャ神話の「ゼウス」も思い浮かびます。しかし、外見が全く違います。

トールは、燃えるように真っ赤な目と、赤色の髪と口髭をたくわえた大男。そして戦に出る時は、2匹の羊に戦車を弾かせ、最強の金槌をもって戦う。

その金槌の名前は「ミョルニル」。この武器は、決して壊れず、投げれば必中し、そしてブーメランのように手元に戻ってくるのです。

そんな最強の肉体と、最強の武器をもつトール。当然、性格も、喧嘩っ早いところがありました。しかし、それでも、弱者を虐めることなく、相手を思いやれる男でもありました。

ミョルニルの物語

トールのハンマー、「ミョルニル」は、武器としての強さだけでなく、「邪気を払う力」も持っています。そのため、結婚式などでも、ミョルニルは、用いられていたのです。

また、このことから、現在でも、ミョルニルがモチーフとなったアクセサリーが多くあります。

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そんなミョルニルですが、実は、一度、盗まれたことがあったのです。

盗んだ巨人のスリュムは、ミョルニルを返す条件として「美の女神フレイヤと結婚させること」を要求します。

当然、フレイヤは、巨人の妻になりたくありません。

しかし、ミョルニルが無ければ、本来の力を発揮できず、戦いを挑んで勝つこともできません。打つ手なしと、神々が頭を抱えていると。

ヘイムダルという神様が、ある提案をします。

「トールが、フレイヤのふりをすればいいのでは?」

たとえ別人でも、花嫁衣装に、ベールをかぶれは顔は見えない。あとは、フレイヤの首飾りをすれば、完璧。というのです。

トールはやりたがりませんが、ミョルニルのためです。渋々、その作戦をとることにしました。

結婚式当日。

隣にいるのが、トールとは知らず、スリュムは、浮かれ気分でした。

その一方で、花嫁トールもその性格上、ご馳走をあっという間に平らげ、酒をがぶがぶと飲んでしまいます。

当然、この姿にスリュムは驚きます。

が、そこで、侍女に化けた神、“ロキ”が登場。

**「フレイヤ様は結婚を待ち焦がれるあまり、今日まで何も喉を通らなかったのです」**とフォローしたのです。

それを聞き安心したスリュムは、花嫁の清めの儀式としてミョルニルをトールの膝に置きました。

しかし、邪気を払おうとしたその行為が、むしろ邪気を引き寄せてしまったのでした。

ミョルニルを奪還したトールは、即座にスリュムを殺害し、その場にいた巨人を1人残らず叩きのめしてしまいました。

おわり

トールとロキは友達でした。ただ、正義のトールと、悪戯のロキですから、喧嘩もたくさんありました。

例えば、「トールの妻、角刈り事件」。

ある日、ロキの悪戯によって、トールの妻・ジヴの頭が丸坊主になってしまいます。ジヴは自慢の金髪をなくしてしまったのです。

当然、トールはブチギレです。ロキを追い回し続けました。

ただそれでも、仲良しでした。

そのおかげで、ミョルニルを取り返せたわけですから。

ボーナストリビア:「マイティー・ソー」は、ここからきた!

トールや、トールのもつ魔法のハンマー「ミョルニル」。

これらから連想するものといえば、『アベンジャーズ』シリーズの「マイティー・ソー」だと思います。

一見、「トール」と「マイティー・ソー」では、名前に関係性がないように思えます。

しかし、そうではありません。

そもそも、「マイティー・ソー」はあくまで映画の名前で、「力強い」「強力な」といった「マイティー」はただの形容詞なのです。

主人公の名前は、「ソー」。

そして、英語ではトールを「Thor」と表記し、英語読みは“ソー”です。

ちゃんと、関わりがあったのです。

でも、敵役は「ロキ」と、特にひねった様子がありません。それなら、『マイティー・トール』でもいいのでは?、と思いますが。きっと何か理由があるのでしょう。

ちなみに別の豆知識としては、木曜日を意味する英語「Thursday」の語源も「トール」からきてるそうです。

また、月から日までの1週間は、北欧神話が由来となっています。

月:月の神「マニ」の日

火:戦の神「チュール」の日

水:神の中心「オーディン」の日(オーディン→ウヲーデン→ウエンデン)

木:トール「thor」

金:愛と美の女神「フレイヤ」の日

土:不明

日:太陽の女神「ソル」

(参考文献)

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