本日は、「アダマとイブが禁断の実を食べる」お話です。
エデンの園
最初の人間、アダムとイブが住んでいたのは、「エデンの園」という場所でした。
そこはまさに天国のような場所で、争いや災害はもちろん、嘘も暴言もない世界でした。
そして、気候は温暖で、アダムとイブは、いつも全裸で生活していました。
他にも最高品種のフルーツや花々が満開に咲き乱れていたりと、そこはまさに楽園でした。
禁忌
しかし、そんな天国のような場所にも一つのルールがありました。
それは、「 “知恵の樹“ の実だけは、絶対に口にしてはいけない」と言うものでした。
そもそも、エデンの園には、中央に大きな二つの木がありました。
一つは、この「知恵の木」。知恵の樹は別名、「善悪の知識の木」とも呼ばれており、この木の実を食べると死んでしまう、と神に言われていました。
もう一つは、「生命の木」です。
これは、皆さんも『エヴァ』のOPや、『鋼の錬金術師』の「真理の扉」などで知っている方も多いと思います。
別名「セフィロトの樹」と呼ばれており、この実を食べることで、永遠の命を手にすることができると言われています。
そして神様は、この二つの木のうち、「生命の木」は食べてもいいが、「知恵の樹」だけは絶対に、口にしてはならないと固く禁じたのでした。
サタン
当然、2人は、その単純な掟を守り、幸せに暮らしていました。
しかし、そんな2人の前にあるとき、一体の蛇 “サタン” が現れます。
すると、サタンは言いました。「知恵の木を食べれば、人間を超え、神に近い存在になれる」と。
その未知の誘惑にそそられた2人は、今まで以上の幸福を求め、「知恵の樹」にある実を食べてしまいます。
善悪を知った人間
2人は、「善」と「悪」、すべてを知りました。
例えば、全裸で生活していることは、実は結構、恥ずかしいことではないかと思うようになります。
すると今度は、「善」「悪」の判断を自分で下し、自分に益のある行動を取るようになります。
全裸ではなく、草の葉を、いや、動物の皮を着よう。といったように。
善悪を知らなかった者が、そのことを知り、ましてやその判断を自分で下すようになった。これは、「神の領域に人間が踏み込んだ」とも言えます。
神に原因を問いただされた時も、アダムはイヴのせいにし、イブはヘビのせいにしました。
おわり
それからの人生は、悲劇でした。
人間は神との会話を失い、神から、ひたすら隠れて暮らすようになりました。
無論、エデンの園からも追放されます。そして、人間は、「労働」によって糧を得るようになったのでした。
ボーナストリビア:天使の長だった「サタン」
アダムとイブを唆した「サタン」は、もともと天使でした。
天使時代の名は「ルシファー」で、音楽を奏でる天使の長でした。
容姿は目を奪われるほど、美しく、私たちが知っている、おぞましいヘビの姿とは、正反対でした。
しかし、神に反逆し、堕天使、悪魔、「人間を神の道からそらす者」となっていったのです。
そのため聖書では、「ヘビ」は呪いの象徴として「サタン」の姿をモチーフに描かれています。
しかし、「ヘビ」はもともとヘブライ語で「光り輝く者」を意味します。また、日本でも、「ヘビ」は「くちなわ」ともいい、神様として崇め奉られる文化があります。
ヘビは、悪魔なのか、天使なのか、それとも神様なのか。
皆さんはどう思いますか。
(参考)