貯金大国日本。
日本人はなぜそんなにも貯金を好むのでしょうか?
貯金に縛られた生き方
日本人の多くが貯金に縛られ、多くのお金を抱えたまま、人生の終盤を迎えています。
旭化成ホームズが 2013年に行った調査によると、65歳以上の世代が所有する相続対象の資産総額の平均は約 4700万円。
このうち土地や建物の平均想定評価額は約 3000万円。
貯金や株式などの金融資産と生命保険が平均約 1700万円となっています。
働くことの意義
大人が毎日、「めんどくさい」「ああ、ヤダヤダ」「(子供を見て)お前たちは気楽でいいなぁ」というのは、なぜでしょう。
「そんなに嫌なら、行かなきゃいいのに」と、子供の時によく思ったものです。
しかし、大人が働く意義は至ってシンプルです。
大人にとって、その時しんどい肉体労働よりも、将来どうなるかわからない精神的な苦痛の方がもっと耐えられないからです。
貯金をする大半の人たちの目的も同じです。
貯金をすることで、将来の苦痛を取り払う。それが貯金の目的です。
貯金は自信をもたらす
ですが貯金にはもう一つ大きな効果があります。
それは「自信」です。
自分の周りにいる他の人たちよりも、資産(貯金・ゴールド・車・不動産)を持つことはその人に自信を与えてくれます。
中でも、貯金というのは、誰にも悟られず、こっそりと自信を高められる、という魅力があります。
筋トレや、瞑想、知識などといったような事柄は効果が実感できるまで、かなりの時間を要します。
その点、貯金は、数字として、すぐに効果が実感できるので、心の拠り所としてはもってこいです。
偽物の自信
しかし、資産によって与えられた自信は、本物の自信ではありません。
なぜなら、資産に頼り、資産があるから自信があるという状態に陥ると、人はお金のために動くようになるからです。
稼いだお金が減らないように貯金を繰り返し、今、あなたが立っている地点を守ろうとし、変化を嫌うようになります。
例えば、冬の訪れとともにホルモンバランスを崩し、多くの人たちは、やる気を失ってしまいます。
これは日照時間の短縮によるセロトニンの分泌量の減少が原因と考えられています。
しかし、その分泌はジョギングなどの一定の運動で回復することができます。
つまり、気力の減退は体を動かすことで解消できるのです。
ただし、そのとき最も億劫なのは、体を動かし始めることです。
一旦、立ち止まり、満足してしまうと新たな一歩を踏み出せなくなります。
貯金も同じです。
一度、100万円、 300万円など、ある一定の額まで貯まってしまうと、それを下回らないよう、無意識に思い切ったお金の使い方ができなくなります。
しかし、本物の自信を得るには、行動を起こし、新たな体験を積み、動いたことによって得られる結果を体感することが不可欠です。
そうやって手に入れた自信は、仮に資産がなくなっても、誰からも奪われない一生の資産となり、自信の源となります。
「お金は使うことによって、初めて意味を持つ」とは、アメリカ合衆国建国の父・ベンジャミンフランクリンの言葉です。
あなたの資産はなんですか?
(参考文献)