【植物学】お米の生産性は半端ない! —— イネが主食なりえたわけ

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今では、日本人にとって「コメ」は、主食であり 、 神事や季節行事とも深く結びついているものです。

日本の文化や日本人のアイデンティティの礎は「稲作」にあると言われるほど 、 日本では重要な作物となっているのです。

ではどうして、イネは日本人にとってこれほどまでに重要な存在となったのでしょうか 。

イネは生産性が高い!

イネはムギなどの他の作物に比べて、ある特徴を持っています。

それは「生産性がとても高い!」ということです。

イネは一粒の種もみから700〜1000粒のコメがとれます。 これは、他の作物と比べて驚異的な生産力です。例えば、コムギの場合は、20倍前後の収量しかありません。

このイネの生産性は、昔からすごいものでした。

15世紀のヨーロッパでは 、 コムギの種子をまいた量に対して 、 収穫できた量はわずか3〜5倍でした 。 対して、江戸時代(17世紀)の日本では 、 種子の量に対して20〜30倍もの収量があったのです。

栄養価も高い!

さらに、コメは栄養価も優れています。

というのも、コメは炭水化物だけでなく 、 良質のタンパク質、ミネラルやビタミンも豊富で栄養バランスも優れているのです。

このため 、 とにかくコメさえ食べていれば良かった。というのが、古代からのライフスタイルでした。

しかし、唯一足りない栄養素もあります。それは 、 アミノ酸の「リジン」です 。

ところが 、 その問題も、リジンを多く含んだ「大豆」を食べることで、解決できました。

以上のように、コメとダイズを組み合わせることで完璧な栄養食となったわけです。

おわり

イネが他の穀類より優れていたのは、「収穫量」。

そしてもう一つ、「蓄えられる」点もあります。蓄えられるということは、「富」にもなる、ということです。

そして、その「富」を保管するため、より多く収穫するために、青銅器や鉄器といった最先端の技術が発達しました。 これらの技術は、また戦の時には、武器としても活躍してくれたのでした。

「収穫量」が多く、「蓄えられる」。

ただ、それだけのことが、人類をとても大きく進歩させたのです。

ボーナストリビア:コムギが主食にならないわけ

ご飯と味噌汁というのが、日本食の組み合わせです。これは 、 栄養学的にも理にかなったもので、「米が主食」というのもうなづけます。

では、「コムギも主食」といえるのか、といえば違います。

確かに、コムギは、パンやパスタなどの原料として、日々活躍してくれる存在です。しかし、コムギ単体だけでは、決して主役の座に躍り出ることはありません。

というのも、コムギはそれだけでは、とても栄養が足りないからです。

コムギを食べると、どうしてもタンパク質が不足してしまいます。そのため、肉類などを食べる必要が出てくるのです。

ジャンクフードで、パンとお肉がいつも一緒に登場するのは、そのためです。

ですので、コムギは、主食としてではなく、たくさんの食材の中の一部という位置づけになるのです。

(出典)

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