今回は、草の話をより掘り下げようと思います。
双子葉植物から、単子葉植物へと変化を遂げた「草」。
そして、この単子葉植物で、もっとも進化したのが、「イネ科」植物です。
イネの登場!
イネ科植物は、乾燥した草原で発達した植物です。
ポイントは、この**「草原」**という点にあります。
ふつう、植物は森、特に木々が深く生い茂った所で生息するものです。なぜなら、大量の植物があれば、食べ尽くされる危険もなく、その分、子孫を残しやすいからです。
しかし、イネは植物の少ない草原、つまり動物の脅威にさらされた環境下で成長しました。
さて、そんな環境で、どうやって生き延びてきたのでしょうか?
イネの秘策
正解は「食べづらく、そして不味く」したのです。
具体的には、新しく、「ケイ素」という物質を体内に取り込んだのです。「ケイ素」とは、ガラスの原料にもなる物質で、非常に「硬い」のが特徴として挙げられます。
「ケイ素」自体は、これまでも土の中にたくさんありました。しかし、植物にとって、栄養、成長という面で、必要のない物質でした。
ところが、生息地を何もない草原へと広げたことで、新しい危機に迫られました。
そこで、「ケイ素」の登場です。
この物質は、植物にとっては最適で、葉の繊維を多くし、消化しにくくする働きをしてくれました。
これによって、動物は寄り付かなくなったのです。
おわり
このように、イネ科の植物は、体内にケイ素を蓄えることで、この状況を乗り切り、むしろ逆転させたのです。
この「イネ科の植物がケイ素を体内にためる」という進化は、今からおよそ600万年前に起こりました。
この進化は、草食動物にとっては最悪の進化で、中には、絶滅してしまった動物もいたのです。
ボーナストリビア:イネは成長の仕方も、パナい!
イネ科植物が他の植物と異なる点で忘れてはいけないのが、「成長の仕方」についてです。
ふつう植物の成長といえば、茎をどんどん伸ばし、上へ上へと大きくなることを指します。これは言い換えると、茎の先端がMAXの成長点ということになります。
ですので、もし茎がせっせと新しい細胞を積み上げている途中に、大きな動物にその先端を食べられてしまったら……、その分だけ成長を食べられてしまった、ということになります。
一方、イネ科植物は、あらかじめ、MAX成長点が低く設定されています。
成長点は、地面スレスレのところでキープしつつ、そこから、葉っぱだけ上へ上へと押し上げる。そうすることで、いくら食べられても、ノープロブレムの状態を作り出したのです!
「頑張っても食べられてしまう。そんな無駄な努力はしない」
そんなスタイルが、イネ科植物なのです!
(出典)