話を聞かないモーセ
神の呼びかけによって、エジプトに戻ったモーセ。
モーセは、道中で会った兄「アロン」と共に、ファラオの前に出ていきます。
この時、40年の月日が流れ、先代のファラオはもう亡くなっていました。しかし、先代の影響を受けて即位した当代ファラオですので、エジプトでの状況は全く変わっていません。
モーセはファラオに言います。 「イスラエルの神は、“わたしの民をエジプトから去らせよ“と命じておられます」
いきなり現れて、何をいうかと思えば、モーセの口から出たのは、「神は〇〇と言っています」。その唐突な話を、ファラオは鼻で笑いました。
「神? 神とは何者だ。わたしはそんな者を知らん」
「イスラエルは貴重な奴隷だ。解放するなどもってのほかだ」
モーセは聞く耳をもたないファラオに辟易し、部屋を後にします。
枝を投げなさい
その後、ファラオは奴隷の仕事をもっと増やしました。
イスラエルの民は、この悪化した状況の矛先を、モーセに向けました。
「何をしてくれたんですか。あなたのせいで、状況が悪化しているではないですか」
「お願いだから、もう何もしないでくれ」
「余計なことをするな!」
良かれた思ってした行動で、むしろ反感を買ってしまったモーセ。
「主よ、やはり私には無理です。……なぜ、……なぜあなたはわたしを選んだのですか?」
主は答えました。
「大丈夫。わたしが必ず、イスラエルの民をエジプトから去らせます」
でもモーセは、具体的に何をしたらいいか、分かりません。
「いいですか。“ファラオの前に出て、枝を投げなさい“ さすれば全てうまくいきます」
枝を投げてみました
翌日。
神の啓示をうけたモーセは、アロンと共に、再びファラオの元へと行きました。しかし、相変わらずファラオは2人の言葉を聞こうとしません。
そして、ファラオは言います。
「イスラエルの神? そんなの聞いたことがない」
「そうだ。それなら、証拠を出せ、証拠を!」
したり顔するファラオに、モーセは、「どうしよう、どうしよう」とあたふたします。
と、突然、アロンが、自分の持っていた枝を投げました。
すると、床に落ちた枝が、蛇に変身しました。
ファラオは「うわ!」と内心驚きながら、平静を装います。
そして、「それなら」と、ファラオは、呪術師達を呼びました。
呪術師達は、エジプトの神々に祈りながら枝を投げる。すると、それは蛇になりました。
ファラオはあざ笑いました。
「どうだ! 貴様らの神が、エジプトの神々に勝っているというのか?」
が、しかし、アロンの蛇に異変が起きました。急に大きな口を開ける。瞬間、パクッと、呪術師達の蛇を飲み込んでしまいました。
このままでは危ないと感じたアロンは、蛇のしっぽを掴みます。すると蛇は杖へと姿を変えました。
しばしの沈黙が場を支配した後、戸惑いながらも、ファラオは言いました。
「ふん、所詮はまやかし。そんなものには、だまされんぞ!」
ファラオは結局、モーセとアロンの言葉を受け入れようしませんでした。
おわり
さて次回は、モーセの神がさらなる力を発揮します。
どうやってファラオから、イスラエルの民を救い出すのか。
お楽しみに!
ボーナストリビア:猫が糞に砂をかけるのは?
猫は便をする時、砂をかけて隠します。
犬は、自分のオシッコで誇示しようとするのに、猫はなぜ隠すのでしょうか。
理由の一つは、便の匂いが非常に強いからです。あまりの強さに、匂いだけで、自分の居場所を知らせるシグナルにもなってしまいます。
このため、猫は、自分は便に砂をかけるわけです。
ただ、ある状況下では、猫でも自分の便に砂をかけなくなります。
それは自分の安全が確保された場合です。
ですから、もし猫をお飼いの方が、自分の猫は便を隠そうとしない、と心配になっていたら、それはむしろ良いことだと言えます。
それはズバリ、猫があなたに心を許している証拠なのですから。
……まぁ、もしくは、猫があなたを自分よりも下の者と見做している可能性もありますが。
余談
猫派・犬派の二択問題は、生きてれば、必ず聞かれる問いだと思います。
ただ、これは単純に、どっちの見た目が好きか、という表層的な問いではありません。
「気まぐれタイプ」か「忠実なタイプ」か、「インドア派」か「アウトドア派」か、「隠密型」か「誇示型」か。
そういった深いことまでを探るのが、この問いの真意なのです。
よく心理テストなどでも出題されるのは、このためです。
(参考)