【旧約聖書㉙】失われたアーク 〜 「とりま、山こもります!」

知識
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光っちゃいました!

偶像礼拝の一件後、モーセは再び山に籠りました。モーセは飲まず食わずで、ひたすら神と対話(シャカイナ・グローリー)をしていした。

そして、40日後、モーセが山から下りると、民は後ずさり、モーセから離れていきました。何事か、と思ったモーセが思っていると、アロンが話しかけてきました。

「モーセ。お前、顔が光ってんぞ」

モーセは、自身の顔を鏡で確認します。すると、言われた通り、顔が光り輝いていたのです。

それから、モーセは顔に薄い布をかけて生活するようになりました。

神殿づくり

さて、モーセは、次に神に祈りを捧げるための神殿(幕屋)作りに着手しました。

モーセは、ただ世間話をしに、山籠りをしていたわけではありません。彼は何十日にもわたって、祭壇や燭台、祭司の服などといった、礼拝に関する設計を、神から教わっていたのです。

また、神殿といっても、皆さんが想像される大きな建物ではありません。モーセたちは、まだ旅の途中ですので、テントみたいな、簡単に分解・持ち運べるものを作りました。

そして、建設が終わると、幕屋の中に雲があふれ出しました。

それから民たちは、幕屋から雲が上る時、宿営をたたんで出発し、雲の行く方向に従って進みました。雲が止まるとそこに宿営を張り、また雲が動き出すまで待ちました。

おわり

民がカナンの地に着くまで、ここからさらに 40 年の歳月を要します。

ただ不思議と、この旅は奇跡に次ぐ奇跡の連続でした。

毎日朝になるとマナが降り、水は超自然的な方法で神が与えてくれました。

200 万人の旅という、過酷な環境下で、神が徹底したサポートをしてくれたのです。

ボーナストリビア:失われたアーク(聖櫃せいひつ)

映画『インディ・ジョーンズ』シリーズの第一弾に「レイダース / 失われた聖櫃(アーク)」という作品があります。

そして、作品に登場する聖櫃は、この幕屋建設の際に作られたとされています。

聖櫃は、聖書において「神の箱」「契約の箱」「あかしの箱」と呼ばれており、十戒が記された石の板や、マナの入った壺などがおさめられています。

(※ふつう、箱は英語で「box」です。しかし、この箱は特別ということから、ラテン語で箱を意味する「ark」が使われているのです)

聖櫃は、幕屋の中の「至聖所」と呼ばれる奥の間に設置されており、そこに入ること大祭司のみに許されていました。

しかも大祭司でさえ、一年に一回、イスラエルの民全体に対する、罪の赦しを求める儀式をする時だけその聖櫃に触れることができました。

ですので、移動をする際は、しっかりと幕がかけ、だれも箱を見ることも触ることもできないようにしました。

また、この「至聖所」という部屋は、入れる人が限られていたことから、神と人との断絶を意味する部屋でもありました。

そして、キリストが十字架で死んだ時、この至聖所の入口にある垂れ幕が二つに裂けるという出来事が起きました。これは、神が私たちの罪を赦し、自由に会えるようになったことを象徴しているとされます。

こうしたいろんな逸話のある「アーク」ですが、現在では失われてしまっています。どこかに隠されているのでは、という都市伝説もあります。

皆さんもぜひ、機会があれば探してみてください!

余談になりますが、映画ではアークを「これは人間が神と交信する通信機だ」と表現しています。

しかし、これは真実ではありません。

確かに、モーセは神の言葉を聞く際に幕屋に行きました。しかし、神の箱はモーセです触れることができません。

ですから別に、神との電話機ではなかったのです。

ただ、この箱は常にイスラエルの民と共に移動していました。ですから「神がいつもイスラエルの民と共にいてくださる」という心と心の繋がり、という意味では、あながち間違いではないといえます。

(参考)

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