水が飲めないっす!
エジプトの追撃を逃れたイスラエルの民は、カナンの地へ向かいました。
そして、カナンは、大部分が乾燥した荒地となっている「シナイ半島」にある土地でした。
数日が進み、一行(いっこう)はシナイ半島の「マラ」という場所に着きました。
ただ、そこは荒地でしたのでは動物はもちろん、植物もほとんどありません。
しかも、湖と池にある水は汚く、とても飲めません。
この状況に、民たちはモーセに不満を述べました。「おいおい、どうすんだよ?」「このままだと乾いて死んじまうよ!」
長年、奴隷であった民は、自分で考え行動するということができません。言われたことを、言われたままにしか行動できなかったのです。
そのため、何かトラブルが起きた時、彼らができる行動は、不満を口にする以外にはありませんでした。
そして、これに対し、モーセは怒ることなく、神に祈りを捧げました。
すると、神は「泉のほとりにある一本の木を、切りなさい」と命じました。
それから、モーセ達は木を切ると、水はどんどん良くなり、飲むこともできるようになったのです。
パンを食べたいっす!
それから、数日後。
民たちがまた不満を言い始めました。「なんで水だけなんだ!」「エジプトにいた頃は、パンも肉もあったのに……」
この時、問題は、水や草、動物が少ないといった事柄だけではありませんでした。もう一つ大きな問題があったのです。
それは、人数です。
エジプトから逃げた、イスラエル人は、約200万人もいました。そこに追い打ちをかけるように、この食糧問題です。
民衆の不満は絶えることがありません。
そして、この不満に対しても、神は恵みを与えてくれました。
なんと、神が天から食べものを降らせたのです。
具体的には、朝になると「マナ」という食べ物が空から降ってきます。民は、それを集め、パンのようにして食べていました。
そして、夕方になると、「うずら」の群れが、野営に落ちてきて、それを食べていました。
この二つの食べ物のおかげで、なんとか民達の不満を抑えることができました。
おわり
それから数日後。
再び水問題が発生します。「おいおい、水ないんだけど〜」「まさか俺たちを乾き殺す気か?」
民達の不満は再びモーセへと向かいました。
今まで、冷静を保ち続けたモーセ。しかし、今回ばかりは「なぜ私に文句をいうのだ!」と怒りました。
ただ、それでも、モーセは神様に祈ります。
すると神は、「材で岩を打て」と命じました。
そして、モーセが言われた通りにすると、岩から水があふれ出てきて、民の渇きを潤したのです。
ボーナストリビア:「食料」と「食糧」の違い
食べ物のことを「食料」と言います。しかし、同じ読み方で「食糧」というものもありますよね。
みなさんは、この二つの違いをご存知でしょうか?
実は、「食糧」という漢字は主食のことで、「食料」はそれ以外の食べ物のことをいうのです。
覚えるポイントとしては、「食糧」の「糧」の字です。「糧」は、生きる「かて」と、これがないと生きられないもののことを言います。
ですから、「食糧」という漢字は、お米や小麦などの主食に対して使われる言葉なのです。
●本当に食べるものがない→「食糧難」
●スーパーの食べ物売り場→「食料品コーナー」
皆さんも、ニュースや買い物をする際に、ぜひ確認して見てください。
(参考)