妻の元へ
しばらくして、怒りが収まったサムソンは、再び妻の家へと戻りました。
ところが、家から出てきたのは、妻の父でした。
「あなたは娘を捨てました。ですので、娘はもう別の殿方に嫁がせてしまいました」
サムソンは、その事実に、再び怒りました。
そして、その矛先は、ペリシテ人へと向かいました。
サムソンはなんと、彼らが耕していた麦畑に火を放ち、それから、収穫間近の作物を全て燃やしてしまったのです。
もちろん、ペリシテ人も黙っていません。
1000人の兵士を派遣し、サムソンを捕えようとしました。
そして、野原にいたサムソンを兵士たちが囲んだその時。
サムソンに神の力が下りました。
サムソンはなんと、地面に落ちていたロバのあご骨で、兵士たちを次々、打ち倒してしまったのです。
おわり
さらに、兵士全員を殺したサムソンは、報復とばかりに、ペリシテ人の土地へと1人で乗り込もうとしました。
しかし、サイモンの存在に気付いた看守が、すぐに城門を閉じてしまいます。
ただ、これで安全かと思った矢先、サイモンは何もなかったかのように、門の柱を引っこ抜き、そして門をまるまる、街の外へと担ぎ出して行きました。
そんなサムソンを見たいたペリシテ人は、呆然とその様子を見守ることしかできませんでした。
このような怪力を見せられて、もはや戦う気さえ起こらなかったのです。
ボーナストリビア:桃太郎の設定に全て、意味がある
古代中国の「陰陽五行」では、鬼が出入りする方角を「鬼門」と呼びました。
そして、この「鬼門」という概念は、日本に多大な影響を及ぼしました。
例えば、2月3日の節分の日。「鬼は外、服は内」といって、豆を巻くのは、この鬼門という方角に邪気を払う意味合いがあります。
そして、日本の都市伝説である「鬼」が、虎柄のパンツや、角をはやしているのは、「鬼門」の方角である東北が、十二支でいう「寅」と「丑」に当たるから。
さらに、『桃太郎』に登場する、「猿」「キジ(鳥)」「犬」も、鬼門の正反対に位置するのが「申」「酉」「戌」であったことが大きく関係しているのです。
(参考)