指導者サムソン
神がサムソンに特別な力を与えていることを知ったイスラエル民は、サムソンを指導者とするようになりました。
そうして、サムソンはイスラエルを収めるようになりました。
ただ、サムソンは、その人柄と女癖の悪さから、民からは、あまり親しまれていませんでした。
デリラ登場
ある時期、サムソンは、再びペリシテ人の女性を好きになりました。
彼女の名前は、「デリラ」。
その頃、サムソンは度々、デリラの家に泊まるようになっていました
そして、そのことを知ったペリシテ人の領主たちは、デリラにこっそり頼み事をしました。
「どうか、サムソンの怪力の秘密を探ってほしい。それがわかってサムソンを捕まえることができたら、銀貨を山ほどあげるのを約束しよう」
デリラは熟考もせず、あっさりとこれを承諾しました。
嘘の方法
その夜のことです。
デリラは、サムソンに甘えるふりをして、サムソンの秘密を聞き出そうとしました。
彼女に甘えられて、でれでれのサムソンは、「しょうがねぇなぁ〜」と、弱くなる方法を言いました。
「まだ使ったことはないが、弓の弦7本で縛ると、俺は力を出せなくなる」
「しめた!」と思った、デリラ。
それから、彼女は、サムソンにたくさんのお酒を飲ませ、ぐっすりと眠らせた後、領主たちに、7本の新しい弦をもってきてもらいました。
翌日。
デリラは起きてきたサムソンに言いました。 「おはよう、サムソン。ねぇねぇ、昨日言ってたやつだけど。ここに、新しい弓の弦が7本あるのよ。試しにこれであなたを縛ってもいいかしら?」
サムソンは特に焦る様子もなく、その申し出を承諾しました。
そして、そのタイミングで、突然、家の外に控えていた兵士が入り込んできて、サムソンをひっ捕えようとしました。
ところが、サムソンは、意図も容易く縛られていた弦をを切ってしまいます。力が弱まっていないのを見た、兵士たちは皆、散り散りに逃げていきました。
根負けしたサムソン
その晩のこと。
デリラは、泣きながら、サムソンに言いました。
「サムソン、あなたは私に嘘をついたのね。なら、きっと、わたしを愛しているというのも嘘なんだわ。そうでしょ。もしそうでないというなら、今度こそ教えてちょうだい。どうすればあなたは弱くなるの」
それから、毎日、デリラは、このような形で、サムソンに圧をかけ続けました。
すると、サムソンも次第に辛くなり、とうとう秘密を明かしてしまいます。
「実は、俺。生まれてから一度も髪を切ったことがないんだ。だから、もし俺のすっかり切り落とせば、俺は、普通の人間と同じになるだろう」
デリラは、「これだ!」と思いました。女の勘で、「今度こそ、本当のことを言っている」と感じ取ったのです。
おわり
その夜、デリラは、前回と同じ作戦で、サムソンにたくさんのお酒を飲ませ、膝枕で眠らせました。
そして、スヤスヤと寝息を立て始めたのを見計らって、デリラは、サムソンの髪をすべて剃ってしまいました。
窓からその様子を見ていた兵士たちは、サムソンの髪がなくなる頃を見計らって、家の中へと入ってきました。
デリラは叫びました。
「サムソン! サムソン、起きて!ペリシテ人が来てるわよ!」
「ん……ああ、慌てるな。大丈夫、私がすぐに——」
と、大きく伸びをして立ち上がった時、サムソンは異変に気がつきました。
なんと、体に一切の力が入らなくなっていたのです。
サムソンは、まさか、と思って、頭に手をやると、案の定、髪の毛がすっかりとなくなっていました。
狼狽え何もできないでいるサムソンを見た兵士たちは、ここぞとばかりに、襲い掛かり、サムソンを縄で縛り上げてしまいました。
ボーナストリビア:サンタクロースには、専用の郵便番号がある!
「ホッホッホッ」の口癖で有名なのは、『スラムダンク』の安西先生ですが、「ホゥホゥホゥ」の口癖で有名なのはやはり、サンタクロースでしょう。
ところで、みなさんは、サンタクロースは、専用の郵便番号があるのをご存知でしょうか。
日本では、サンタクロースにお願いしなくても、朝になると枕元にプレゼントが置かれている、というのが、一般的です。
ただ、海外では、クリスマス前には、サンタクローにお願いの手紙を書きます。
そしてそんな中、カナダではサンタクロース専用の郵便番号があるのをご存知でしょうか。
日本では、数字の羅列が郵便番号です。
しかし、カナダは、「 A 1 B 2 C 3」といった風に、アルファベットと数字を一文字ずつ組み合わせた文字の羅列が、郵便番号となります。
その特徴を活かし、カナダでは、サンタクロースの口癖である「ホゥホゥホゥ」になぞらえ、「 H 0 H 0 H 0」というサンタクロース専用の郵便番号が用意されているのです。
(参考)