エリメレク家の逃亡
土師記の時代。
イスラエルでは、飢饉が起きていました。
人々が飢えで次々に倒れてく。
そんな中、ユダ族のエリメレクのー家は、「このままではまずい」と、モアブ人が住む土地へと移住しました。
悲劇の一族
うまく移住に成功した一家でしたが、その矢先にある事態になりました。
なんと、エリメレクが移住後まもなく、病気で亡くなってしまったのです。
それから、追い打ちをかけるように、2人の息子「マフロン」と「キルヨン」も流行病にやられ、亡くなってしまいました。
こうして結局、生き残ったは、妻の「ナナミ」だけとなりました。
ナナミの心境
わずか数年のうちに夫も息子も失ったナナミは、悲しみの底にいました。
そして、そんな時のことです。
ナナミは、「イスラエルでの飢饉が終わった」との噂を耳にしました。
ナナミは、亡き家族と暮らした思い出の地「イスラエル」へと帰ることを決意しました。
ただこの時、ナナミの元には、2人の息子の嫁である「ルツ」と「オルパ」がそばに居て、彼女を支えてくれていました。
しかし、”故郷へ帰りたい”というのは、あくまで自分のわがまま。
「彼女たちに迷惑をかけるわけにはいかない」
そう考えたナナミは、2人に「新しい人を見つけて、幸せに暮らしなさい」と言いました。
この言いつけに、オルパは従い、実家へと帰りました。
しかし、もう一人のルツは違いました。
彼女は、ナナミと共に、イスラエルへ帰るといったのです。
「もうあなたの神は、私の神でもあります。ですから、どうか私も、連れてってください」
おわり
こうして二人は、故郷「ベツへレム」へと帰ったのでした。
そして、ここから始まる『ルツ記』は、この母と一緒にイスラエルへと戻った ”ルツ” が主人公として、物語が進んでいきます。
ボーナストリビア:必ず、故郷へ帰るマグロ
必ず故郷へ帰る生物として有名なのは、「人間」と、そして「マグロ」です。
マグロは、日本近海で2年過ごした後、太平洋を横断し、アメリカを渡ってから、再び生まれ故郷である日本へと戻ってくる、といわれています。
ただ、そんなマグロですが、驚くのはそんな彼の故郷思いなメンタルだけではありません。
もっとすごい特徴があるのです。
それは「泳ぐスピード」です。
マグロは、水の抵抗を受けにくい体(方錘形)をしています。さらに、背ビレ、胸ビレ、尻ビレをしまうことで、水の抵抗を最小限にする。
こうして、彼が叩き出すスピードは、時速100キロ。
まさに、海のスピードキングです。
皆さんも、ご実家に帰郷する際は、スピードに気をつけてくださいね。
余談になりますが、全部で7種類あるのをご存知でしょうか?
「スズキ目」「サバ亜目」「サバ科」「マグロ属」の総称で、全部で 7種類もいるのです。
そして、中でも私たちが普段、お寿司屋さんなどで、口にしているのは、最大、体長2m・体重数百キロのクロマグロ(別名ホンマグロ)です。
皆さんも、興味があればぜひ、調べてみてください。
(参考)