退職は天国か地獄か
退職をしたあとの人生を想像してみてください。お金と時間がたんまりとあったら、あなたはどうしますか?
一日中YouTubeや映画を見る。思いっきり寝坊する。好きな時間に好きな事をする。
たくさんの眩しい想像ができると思います。
ですが、そのようなただの堕落した生活は、意外とすぐに飽きるものです。
「大学生の若造が何を言う!」と思われるかもしれません。しかし、これは実体験として言える事です。
コロナの影響で、一日中、家にいる生活が続きました。ほとんどの授業はパソコンで受講でき、また自学自習と期末試験で、授業を行わない教科もありました。
つまり、たくさんの時間ができたのです。
そこで、ぼくも最初の数週間は、小説を読んだり、映画をみたり、好きなだけ寝たりしてみました。エセ年金生活をしていたわけです。
数週間は、ほんとうに幸せな気持ちでした。
ですが、一週間が過ぎたあたりから、だんだんとその幸福度も下がっていきました。「自分はいったい何をしているのだろう」と自問するようになったのです。
朝、通勤することもなく、めんどくさい事をせず、日がな一日、好きなことだけをする。定められたルーティン、ストレスから解放された生活です。
でも、しばらくすると気が付きます。ストレスがないこと、それ自体がストレスだということに。
ストレスがあり、それを発散する。その行為がどれだけ重要だったか。
4つの魔法
多くの人々にとって、たくさんの時間と十分なお金を手にするのは、仕事を退職した後だともいます。
しかし、職業から退いても、人生から退けるわけではありません。今までは、職業によって決められていた生活スタイル、ルーティンが、退職によって一気に崩れます。
そのことが私たちに及ぼす影響は絶大です。
本書の言いたい事は、「だから死ぬまで仕事をしろ!」というわけではありません。
「仕事によってやれなかったこと、やれないと思っていた事を、やりなさい」というのが、本書のメッセージです。
「20歳の時にやりたかったことなんて、わからん」「やりたいことなんてない」という方もいると思います。そこで、本書では、4つの方法が紹介されています。
「モーニング・ページ」「アーティスト・デート」「ソロ・ウォーキング」「メモワール」です。
「モーニング・ページ」は、毎朝、自分の頭の中にあることを、ひたすらノートに書き殴るというものです。ポイントは、「朝一番にやる」という事です。
ノートは大きほど良いとのことで、A4サイズが推奨されています。
目安としては、一日3ページくらいだそうですが、あくまで目安です。
とにもかにも、とりあえず、毎日継続できる自分なりのハードルを設定し、朝イチにひたすら、文字を書きまくる。それだけです。
「アーティスト・ノート」は、一週間に一回行う遠足です。
今まで行ってみたかったけど行けてなかったところなどをリストにし、それを一週間に一回、必ず行くようにするというものです。目的は、楽しい事を探すためです。
小学生の時に行った「芋掘り」や「動物園」の遠足にもう一度、一人で行ってみるというのもいいですね。
とにもかくにも、今まであまり一人で訪れなかった場所に、一人で行く。それだけです。
「ソロ・ウォーキング」は、一週間に2回の散歩です。
ポイントは、「ソロ」というところです。友達や恋人だけでなく、犬も、スマホも、今日の買い物リストも、午後の予定表も全て家に置いてきて下さい。持っていいのは、服と靴だけです。
目安は、20分程度です。
「勝手知ったる自分の街で何の意味がある!」と思われるかもしれません。しかし、意外と新たな発見をするものです。そもそも、人は自分のことさえ完璧にわかっていません。ですので、自分の住んでる街でも、毎日ありのままで触れ合えば何かしらの発見をするはずです。
とにもかくにも、一人で20分散歩をする。それだけです。
最後は「メモワール」です。これは自分の年齢を12分割し、それぞれの時期の記録を紙に書き出すというものです。
例えば60歳の人は、0〜5歳までの自分の記録を呼び起こしてみて下さい。呼び起こす記録はなんでも構いません。自由です。
一応の目安として、以下に質問を記しておきます。
- 住んでた場所は?
- 誰が面倒をみてた?
- ペットは?
- 一番古い記憶は?
- 好きな本は?
- 好きなおもちゃは?
- 好きな食べ物は?
- 印象的な匂いは?
- 印象的な音は?
- よく行った場所は?
- この中で「アーティスト・デート」で行きたいところは?
とにもかくにも、色々な質問をして、自分の当時の記録を呼び起こす。それだけです。
上記の4つ、全てに共通して重要な事は、「一人でやる」という事です。
上記の4つは、今まで自分の中で見えなかった新たな一面を見つけるための方法です。ですので、必ず一人で行ってください。この事を忘れないで下さい。
創造しよう!
僕たちは、みなアーティストです。
何かを創造しないと落ち着けないのです。ですので、想像しない人は、そのためエネルギーが他のところにいってしまいます。
知的で創造的な女性が、家庭をもち、子供を産むと、創造をするための吐き口がなくなってしまいます。代わりに、そのエネルギーは子供へと向けられるのです。
箸の持ち方や、話し方、挨拶の仕方まで、細かいことまで子供たちをコントロールしようとします。
人は、みな何かをしないと落ち着きを保つことができません。
そのエネルギーを自己の源にするか、他人を源にするか。それが、アーティストになれるか、人生に満足できるかの登竜門です。
まずは、上記の4つの、どれか一つでも試しみてください。
それが今まで見えなかった新しい景色を、あなたに見せてくれるはずです。
また、興味が保たれた方は、ぜひ、本書を手にとってみて下さい。人生に新しい選択肢を用意してくれること間違いなしです。
(参考文献)
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最後まで読んで頂きありがとうございました。