「ゴールをイメージする」は正しいのか
「行きたい大学をスマホのホーム画面にしろ」
「寝る前に、なりたい自分をイメージしろ」
「毎朝、未来の自分を紙に書き殴れ」
と言ったように、多くの自己啓発本では、「ゴールをイメージしろ」と書かれています。
ゴールをイメージすることで、もうそうなった自分が頭の中にインプットされ、自然とそのゴールに辿り着く。
というのが、それらの本の言い分です。
しかし、このゴールをイメージするというものには、大きな問題があります。
それは、「そのゴールが理想郷である」と言うことです。
よく英語を勉強するなら、喋れなくても、とにかく海外へ行けと言います。
これは、なぜでしょうか。
ぼくたちが想像するゴールは、得手して、非現実的なものだからです。
ぼくたちは、現実を生きています。
呼吸をし、ご飯を食べ、お風呂に入る。
眠る以外の時間は、ほぼ現実を生きているのです。
ですので、どんなに理想郷を膨らませたところで、その時間は、現実の、普段生活している時間に比べたら、わずかなものでしかないのです。
そんな少ない時間をゴールに向け想像したところで、大した効果は得られません。
「ゴールをイメージすること」による罠
また、ゴールをイメージすることには大きな罠が存在します。
それは「計画誤信」です。
この「計画誤信」が及ぼす被害は絶大です。
計画を誤って信じる。
計画を美化して信じる。
そうすることで、ぼくたちは計画から「希望」「慰み」そして「勇気」を得ます。
ですが、そのゴールへの道筋には、プラスのイメージしかありません。
ですので、ゴールまでの途中に、少しでも困難が待ち受けていると、その現実に挫けてしまいます。
ゴールに対する欲だけ強くなり、実践を継続させることができなくなるのです。
プロセスを見よう!
では、ぼくたちはどうすれば良いのでしょうか。
『「後回し」にしない技術』という本では、その方法として、「プロセスを想像する」というものが挙げられています。
英語を勉強するなら、「海外」に行く。
これは、英語をしゃべれるという「理想郷」ではなく、英語をしゃべっているという「現実」の時間が伸びるからです。
これと同じように、ぼくたちが伸ばすべきなのは、「現実」の時間なのです。
そして、「プロセス」を想像することこそ、「現実」を想像することに等しいのです。
「ゴールを想像する」ことと違い「プロセスを想像する」ことのメリットは絶大です。
なぜなら、プロセスは、逆算的にゴールから、現在を考えるからです。
ゴールのために、今何をすべきなのか。
ゴールに到達するまでに通るべき道はなんなのか。
その道に何があるのか。
実現可能な「現実」についてひたすら考える。
それが「プロセスを想像する」ということです。
おすすめ方法!
みなさんが何かのゴールを想像するとき、それは大抵、誰かのパクリだと思います。
「投資で大金持ちになりたい」と思うのは、ウォーレン・バフェットに影響を受けてのことだと思いますし、
「プログラミングを極めたい」と思うのは、プログラミングでお金を稼いでる人たちを、テレビ、もしくは自分の周りにそういった人たちがいるからだと思います。
しかし、ぼくたちがそう言った人たちからパクるのは、たいてい、その絶大なる功績、ゴールだけです。
世界最高の金持ち、ビル・ゲイツは、成功へのコツについて、 「他の人のよい習慣をまねること」と言いました。
世界で2番目の金持ち、ウォーレン・バフェットも同じことを言っています。「金持ちになるコツのひとつは、他人のよい習慣を自分の習慣にすることだ」
何か目標があり、それを成し遂げたいとするなら、「ゴール」ではなく「プロセス」を考えることです。
そして、その「プロセス」を定める最高の方法は、目標としている人の行動を「パクる」ことです。
その人の行動をパクリ、それにプラスして、自分で思いついたことも試していく。
それが、最高の「プロセス」の見つけ方です。
(参考文献)