「流行」とは、人々がが一定の期間、同じような行動をとるような、心理的に誘われる事を指します。
そこには、人と違うことをしたいという者もいれば、みんなと同じにしたいと言う者もいたり、また、誰よりも早く、その流行を見つけたいと言う者もいます。
流行の2つの特徴
流行には2つの特徴が挙げられます。
1つ目は、対象の範囲が限られていると言う点です。
流行は、全員がそのものに誘われるわけではありません。
年代や地域、そのものに興味があるかどうかなどが、流行に誘われるかどうかを左右します。
つまり、流行の影響を受ける範囲は、限定的だということです。
2つ目は、一定の期間のみで収束してしまうと言う点です。
服や食べ物、音楽やアニメなど、世の中には流行があふれています。
ただ、そのどれも、数ヶ月から一年程度の「ブーム」で、どんどん収束していきます。
そして、現代の社会では、このような流行を簡単に作れてしまう、という点も忘れてはいけません。
独自性と同調性
人々の、流行との接し方には、3つのタイプがあります。
「流行を先取りする人」
「流行に逆らう人」
「流行に乗る人」
上記の3つのタイプのうち、「流行先取りする人」と「流行に逆らう人」には同じ特徴があります。
それは独自性です。
どちらも、多くの人とは違うことをしたいと言う意識が根底にあります。
そのため流行先取りする人も、流行全く気にしない人も、向いてる方向が違うだけで、同じ考え方が根底にあります。
一方、「流行に乗る人」は、「同調性」を重んじるタイプです。
ある程度広まってから流行に乗る人たちは、周りの人と同じようにしたいと言う思いから、流行に合わせているのです。
おわり
その人の流行への対応は、その対象に対する「独自性」と「同調性」によって決まります。
興味があることは、人それぞれ違います。
そのため、ある事柄には、「独自性」を重んじ、また違う事柄には「同調性」を重んじる。
このようにして、私たちは、はじめに流行を取り入れる「イノベーター」と、あとから流行を追いかける「流行遅れ」に分かれるのです。
おまけ雑学:セーラー服を後ろが四角い理由
ただ、「流行」が一定期間を過ぎても、ずっと用いられるケースもあります。
例えば、セーラー服です。
セーラー服の背中の襟が、四角形なのは、元々、「流行」が原因でした。
もともと、セーラー服は 、19世紀、イギリス海軍の水兵(セーラー)が着る軍服として誕生しました。
水兵たちは、しばしば洋上で帆船のマストにのぼり、帆を上げ下げする任務を担っていました。
しかし、マストの上では風が吹くと、甲板からの上官の笛の音や命令が聞こえにくい、という問題があります。
そこで、背中の襟を立てるこを思いつきました。
襟を立てることで、風を遮断し音を聞きやすくしたのです。
そのために、襟は四角くデザインされたわけです。
さらに、当時の流行にも、この襟は一役を担ってくれました。
その頃、ヨーロッパの男性の間では、「ピッグ・テール」と呼ばれる髪型が流行っていました。
背中の大きな襟は、制服が長い髪で汚れるのを防いでくれたのです。
そしてやがて、「ピッグ・テール」の流行は去ったが、この襟だけがそのまま現代の形として残ったのでした。
追伸
その後、アルバート王子(後のエドワード 7世)のセーラー服を着た肖像画が話題を呼び、子ども服として「流行」が起こりました。
そして、日本には、明治時代、子ども服として入ってきました。
これが、女子学生の制服として採用されるようになったのは、関東大震災後の大正時代の頃でした。
追伸 パート2
セーラー服が日本の学校に採用された当初は、テニスをする際の運動着として使われることが多かったそうです。